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Pulex No. 101, 2022
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621 (Hem.: Tingidae) ルイスグンバイの九州からの 106 年ぶりの再発見
相馬 純(九大院・生資環・昆虫)
東アジアに広く分布するルイスグンバイ Limnostatua lewisi (Scott, 1880)(カメムシ目:グ
ンバイムシ科)は,国内では北海道,本州,九州,対馬から知られ,ウナギツカミ Persicaria
sagittata (L.) H.Gross(タデ科)とボタンヅル Clematis apiifolia DC. var. apiifolia(キンポウゲ
科)から得られる(Souma & Ishikawa, 2022).ボタンヅルグンバイの和名で知られる
Cysteochila vota Drake, 1948 は本種の新参異名である(日本昆虫目録編集委員会,2016;Souma
& Ishikawa, 2022).九州における本種の記録は少なく,福岡県北九州市門司区(1916 年7
月19 日採集)の 1例があるのみである(Drake, 1948).
著者(J. Souma)は,2022 年6月9日に福岡県で本種を採集したので,九州および同県に
おける 106 年ぶりの再発見としてここに報告する.検視標本はすべて著者が保管している.
[検視標本]
1♂2♀(図 1),福岡県糸島市雷山(Fukuoka-ken, Itoshima-shi, Mt. Raizan),9. VI. 2022.
上記の 3個体はイヌタデ属の 1種Persicaria sp.(図 2)のビーティングにより採集された.
[引用文献]
Drake, C.J. (1948) Some Tingidae (Hemiptera) from China, Japan and India. Notes d'Entomologie
Chinoise, 12(1): 1–9.
日本昆虫目録編集委員会(編)(2016)日本昆虫目録 第4巻 準新翅類.xxxiv + 630 pp.日
本昆虫学会・櫂歌書房,福岡.
Souma, J. & Ishikawa, T. (2022) Taxonomic review of the tingine genera Cysteochila, Hurdchila,
Physatocheila, and Xynotingis from Japan, with description of a new genus (Hemiptera:
Heteroptera: Tingidae). Zootaxa, 5150(1): 1–42.
図1,2.1,福岡県産ルイスグンバイ,♀;2,イヌタデ属の 1種.
622 (Hem.: Tingidae) アミメグンバイの九州からの 61 年ぶりの再発見
相馬 純・井上翔太・辻 尚道・橋爪拓斗(九大院・生資環・昆虫)
アミメグンバイ Campylosteira rotundata Takeya, 1933(カメムシ目:グンバイムシ科)は,
日本と中国に分布し,国内では本州(千葉県,京都府),四国(愛媛県,高知県),九州(福
岡県)から確実な記録が知られている(Takeya, 1933, 1962;石川ら,2012;日本昆虫目録編
集委員会,2016;伴,2021).本種の寄主植物は不明だが,千葉県では林床のコケ,京都府
と福岡県ではリターから採集されている(Takeya, 1962;伴,2021).九州における本種の