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JAPAN VENTURES REVIEW No.6 September 2005 25
新技術ベンチャーにおけるデスバレー現象
Valley-of Death Phenomenon of New Technology-Based Small Firms
奈良先端科学技術大学院大学 桐畑哲也
要旨
本論文は、新技術ベンチャーにおけるデスバレー
現象とその要因について論じる。
まず、新技術ベンチャーのデスバレー現象、すな
わち優れた技術を十分に事業化へとつなげることが
出来ない状態について検討するために、先端技術事
業化までの段階を、基礎研究段階、製品開発段階、
事業化段階の 3つに分類する。
その上で、新技術ベンチャーに対する質問票調査
をもとに、新技術ベンチャーにおいては、とりわけ
事業化段階に深刻なデスバレー現象が存在すると認
識されている。各段階を通じて「人材面の問題」「ビ
ジョンの抽出や需要のコンセプト化の問題」が主要
なデスバレー要因と認識されている。また、基礎研
究段階のデスバレー克服状況と「市場ニーズの明確
化及び共有化」に向けた取組み、製品開発段階のデ
スバレー克服状況と「トップダウン型経営」「市場ニ
ーズの明確化及び共有化」、事業化段階のデスバレー
克服状況と「公認会計士」「ベンチャーキャピタル」
「弁護士」等の外部専門家との連携において有意な
相関が確認されたこと等を明らかにする。
最後に、新技術ベンチャーがデスバレーに陥らな
いための方策について論じる。
キーワード:新技術ベンチャー、デスバレー現象、
事業化、人材、ビジョンの抽出や需要のコンセプト
化、技術経営、外部専門家との連携
Abstract
In this paper, I discuss the valley-of-death
phenomenon in New Technology-Based Small
Firms (NTBSFs) and the cause of the
phenomenon.
To examine the valley-of-death phenomenon
in NTBSFs, i.e. the state in which even superb
basic research cannot easily be commercialized, I
will make use of the three-stage classification of
the process of commercialization: the basic
research stage, the product development stage,
and the commercialization stage.
A questionnaire survey of NTBSFs reveals
that they recognize that a serious valley-of-death
phenomenon exists at the commercialization
stage. The survey found that the categories
“human resources” and “extracting visions and
conceptualizing demand” are perceived to be the
main causes of valley of death through all stages.
My analysis found that there are some
positive correlations between success in
overcoming the valley of death and “clarification
and sharing of market needs” at the basic
research stage; “top-down management” and
“clarification and sharing of market needs” at the
product development stage; and “cooperation with
external specialists” like certified public
accountants, venture capitalists, and lawyers at
the commercialization stage.
Finally, I conclude with some
recommendations for overcoming the
valley-of-death phenomenon in NTBSFs.
Key words:New Technology-Based Small Firms,
Valley of Death, Commercialization, Human
resource, Extracting Visions and Conceptualizing
Demand, Management of Technology,
Cooperation with external specialists.
1 はじめに
特許等に代表される知的財産権をベースとした新
技術ベンチャーの創出は、閉塞状態が続く日本経済
活性化の起爆剤と期待されている 1)。
新技術ベンチャーについて、本論文では「特に自
然法則を利用した技術的思想の創作としての発明に
もとづき、新規性、進歩性を有し、法的に権利とし
て保護される特許などを中心とする知的財産権をベ
ースに新たな事業を目指す中小・ベンチャー企業」
26 JAPAN VENTURE REVIEW No.6 September 2005
と定義する 2)。
特許など知的財産権をベースとした先端技術の事
業化おいては、事業化までに乗り越えなければ
ならない様々な困難が存在する。困難さ故に、
十分に事業化へ繋げる事が出来ない状態が散見
され、比喩的にデスバレー現象と呼ばれている
3)。
本論文では、知的財産権を活用して事業化に取り
組む新技術ベンチャーを対象とした質問票調査をも
とに、(1)新技術ベンチャーにおけるデスバレー現象
の実態とその要因を明らかにすると共に、(2)事業化
段階毎のデスバレーを克服するために、いかなる技
術経営が求められているのかについて論じる。
2 事業化段階毎のデスバレーとその要因
知的財産をベースとした先端技術の事業化につい
て、岡田(2003)は「知的財産を企業戦略ないし研究
開発力の枠内でとらえ、イノベーション能力を組織
に埋め込み高める知識経営をとくに知財戦略経営
(p.26)」と述べると共に、知的財産が収益に結びつか
ない理由、すなわち知的財産の事業化に係るデスバ
レー要因として、「技術、マーケティング、財務の断
絶」「各部署や個人を調整する「場」や新たなビジョ
ンを提案できるトップの不在」「部門横断的な知識
経営の不在」「選択と集中にもとづく知財戦略の不
在」の 4つを指摘している。
こうした知的財産をベースとした先端技術事業化
におけるデスバレー現象については、事業化段階を
きめ細かく分けて、詳細に調査する必要性があろう
4)。先端技術の事業化段階については様々な分類が可
能であろうが、本論文では、事業化までの段階を基
礎研究段階、製品開発段階、事業化段階の三つの段
階にわけて分析を行う。
図1は、横軸に時間(t)、縦軸に基礎研究段階、製
品開発段階、事業化段階の三段階の主要経営課題と
その経営課題克服のために必要とする経営資源投入
が当該事業の全投入経営資源投入に占める凡その割
合を示している。すなわち、基礎研究段階において
は、特許取得や基礎研究の高度化等を目的とした基
礎研究への資源投入が全投入経営資源のほとんどを
占めているが、製品開発段階になると、代わって試
作品開発や製品の高度化等を目的とした製品開発へ
の資源投入が増加する、また事業化段階では、市場
形成、マーケティング等を目的とした事業化への資
源投入が増加すると考えることが出来る。
図1 事業化に至る段階と主要経営課題の変遷
特許など知的財産権をベースとした先端技術の事
業化におけるデスバレー現象とその要因については、
基礎研究、製品開発、事業化の三つの段階において
それぞれ数多く論じられている。
基礎研究段階に関する先行研究である玉田、児玉、
玄場(2003)は、バイオテクノロジー、ナノテク、情
報通信、環境技術の四分野について日本の特許に関
する調査を行い、サイエンスリンケージは「バイオ
テクノロジーが突出して多く、ナノテクノロジーが
それに続き、IT と環境技術は少ない(p.32)」と指摘
し、バイオテクノロジーやナノテクノロジー5)では、
基礎研究を技術に転換する能力の欠如が、デスバレ
ー要因となり得る事を示唆している。
製品開発段階の成功条件として、Day and
Schoemaker(2000)は「経営トップ層の継続的なサポ
ート、既存事業からのニューベンチャーの分離、組
織や戦略の柔軟性、リスクテイクや経験から学ぶ前
向きな姿勢が求められる。(p.52)」と指摘した上で、
この段階におけるデスバレー要因として、事業への
参入の遅れ、慣れへの固執、トップの十分なコミッ
トメントへの躊躇、持続性の欠如等を挙げている。
井上、二瓶、石川、船曳(2003)は、我が国の製造
業上場企業の製品開発段階には、深刻なデスバレー
現象が存在すると述べると共に、このデスバレー要
因として「ビジョンの描出や需要コンセプト化の問
題」「人材面の問題」「内部の部門間や組織間の連
携の問題」が認識されていると指摘している。桐畑
(2004)は、ナノテクノロジー事業化の製品開発段階
においては「資金面の問題」「外部との連携の問題」
「ビジョンの描出や需要のコンセプト化の問題」が
JAPAN VENTURES REVIEW No.6 September 2005 27
主要なデスバレー要因として認識されており、また
デスバレー克服に向けて(1)「資金面の問題」では、
公的資金の活用を重視している、(2)「外部との連携
の問題」では、大学・研究機関、異業種企業との連
携を重視している、(3)「ビジョンの描出・需要のコ
ンセプト化の問題」では、需要(市場ニーズ)表現を重
視していることを明らかにした。
事業化段階に関する先行研究である Moore(1991)
は、先端技術をベースとした製品を市場に浸透させ
るにあたって、Moore(1991)がキャズムと呼ぶデス
バレー現象が存在すると指摘し、製品中心の価値観
が、事業化段階における主要なデスバレー要因であ
る(pp.134-135)と論じている。
3 新技術ベンチャーとデスバレー現象
研究開発型ベンチャーの経営的特徴や成長要因、
さらには、ベンチャー企業の成長段階毎の経営課題、
デスバレー要因についても、多数の先行研究がある。
清成、中村、平尾(1971)は、研究開発集約的な創
造的新規開業企業をベンチャー・ビジネスと定義し
た上で、研究開発型ベンチャーの経営的特徴として、
独自の企業特性、市場志向、人的経営資源の蓄積、
ダイナミックな組織、システム的発想を指摘してい
る(p.79)。Vesper(1990)は、ハイテク起業家における、
高等レベルの「教育」とマーケティングや財務等の
実務及び過去のベンチャー創業経験等の「経験」の
重要性を指摘している(p.63)。
ベンチャー企業の成長段階毎の経営課題、デスバ
レー要因について、Timmons(1994)は、成長段階を
スタートアップ前、スタートアップ・サバイバル期
(創業から 3年)、成長初期(4 年から 10 年まで)、成
熟期(10 年から 15 年)、収穫・安定期(15 年から 20
年)の5つの段階に分けて論じ、この内、スタートア
ップ前においては「事業が、ユーザー、顧客、市場
ニーズに基づくものか、開発や発明の願望によるも
のか」をデスバレーに陥らないためのポイントとし
て指摘している(pp.577-578)。ベンチャー企業の成
長ステージ段階に分け、それぞれの段階の経営課題
やデスバレー要因について論じた論文は、この他に
も多数ある(Flamholtz and Randle(1998)、柳、田中
(1996)他)。
本論文に何らかの貢献があるとすれば、知的財産
をベースとした先端技術の事業化段階を基礎研究段
階、製品化段階、事業化段階の3つに分類した上で、
この段階を新技術ベンチャーの成長段階に適用し、
それぞれの段階の経営課題、すなわちデスバレー要
因、また、さらにこのデスバレー要因と技術経営と
の関連性についての分析を試みた点にあろう。
3.1 新技術ベンチャーを対象とした質問票調査
新技術ベンチャーの基礎研究段階、製品化段階、
事業化段階の 3つの段階においてそれぞれデスバレ
ー現象が存在するのであろうか。また、存在する場
合には、どのようなデスバレー要因が存在するので
あろうか。さらに、各段階において、デスバレーを
克服するための技術経営とはいかなるものであろう
か。以下では、新技術ベンチャーに対する質問票調
査をもとに、これらの研究課題を分析する。
質問票調査は、奈良先端科学技術大学院大学が実
施した通信教育講座「知的財産・技術経営プログラ
ム2005」を受講した受講生で、特許等知的財産をベ
ースとして事業化を目指す中小・ベンチャー企業の
経営者、従業員を対象として実施した 6)。
インターネットによる公募と共に全国の中小企業
団体、経済団体等を通じて、通信教育講座への参加
企業を募集、参加申し込みのあった 184 事業所の経
営者及び従業員に対して、電子メール及び郵送で質
問票調査を送付した 7)。質問票調査は、2004 年11
月中旬から 12 月にかけて送付し、116 事業所の回答
を得た(回答率 63%)。本論文は、この内未上場で、
特許を取得している、或いは出願中、且、基礎
研究段階、製品開発段階、事業化段階のすべて
の経験を有する 47 事業所を分析の対象とした 8)。
本論文の分析の対象とした 47 事業所は、「知的財
産をどの程度重視していますか」との質問に対して、
かなり重視(51%)、まあ重視(30%)があわせて 81%
を占める、あまり重視していない(17%)、重視して
いない(2%)はあわせて 19%にとどまる等、知的財産
を経営の柱の 1つと認識している。
3.2 事業段階毎のデスバレー現象とその要因
質問要調査では、まず新技術ベンチャーにおける
基礎研究段階、製品開発段階、事業化段階の 3つの
段階における経営実態、すなわちデスバレー現象の
有無及びその状況を質問した。
基礎研究段階、製品開発段階、事業化段階の 3つ
の段階において、「若干課題が存在」「かなり課題
が存在」「非常多くの課題が存在」と答えた企業を
あわせた割合は、基礎研究段階で 62%、製品開発段
28 JAPAN VENTURE REVIEW No.6 September 2005
階で 64%、事業化段階では 85%となった。事業化
段階が進むにしたがって、「確実に成果に繋げてい
る」とする割合が減少し、何らかの課題を抱えてい
るとする企業が増加している。
表1 事業化段階毎のデスバレー現象の有無
N=47
上記質問で「若干課題が存在」「かなり課題が存
在」「非常に多くの課題が存在」と答えた企業(基礎
研究は対象企業 29、製品化段階は 30、事業化段階
は40)を対象として、デスバレー現象の評価を質問し
た結果が以下の表 2である。「かなり深刻な課題」
「深刻な課題」「若干の課題」と答えた企業をあわ
せた割合は、基礎研究段階が 73%、製品化段階が
76%、事業化段階が 90%という結果となった。特に、
事業化段階について「かなり深刻」と答えた企業は
40%と、基礎研究段階、製品化段階の 3倍近い割合
となっており、とりわけ事業化段階に深刻なデスバ
レーが存在していることが伺える。
表2 事業化段階毎のデスバレー現象の評価
基礎研究(N=29)、製品化(N=30)、事業化(N=40)
事業化段階毎のデスバレー現象の有無(表1)で、
基礎研究段階、製品開発段階、事業化段階のそれぞ
れの段階において、「若干課題が存在」「かなり課
題が存在」「非常多くの課題が存在」と答えた企業
(基礎研究は対象企業 29、製品化段階は 30、事業化
段階は 40)を対象として、さらに、このデスバレーの
要因について質問した結果が表 3である。
基礎研究段階においては「人材面の問題」が 45%
で最も多く、「資金面の問題」(38%)「ビジョンの
抽出や需要のコンセプト化の問題」(34%)と続いて
いる。製品開発段階では「ビジョンの抽出や需要の
コンセプト化の問題」が 47%と最も多く、「人材面
の問題」(40%)「資金面の問題」(30%)「内部の部門
間や組織間の連携の問題」(30%)、また、事業化段
階では「人材面の問題」53%「ビジョンの抽出や需
要のコンセプト化の問題」(50%)「資金面の問題」
(30%)「内部の部門間や組織間の連携の問題」(30%)
と続いた。
「人材面の問題」が、基礎研究段階と事業化段階
で最も多く、製品化段階でも「ビジョンの抽出や需
要のコンセプト化」に次ぐ高い割合となった。また、
「ビジョンの抽出や需要のコンセプト化の問題」は
製品化段階で最も多い割合となった他、基礎研究段
階で 3番目、事業化段階で 2番目になっており、各
段階を通じて「人材面の問題」「ビジョンの抽出や
需要のコンセプト化の問題」が主要なデスバレー要
因となっていることがわかる。
表3 事業化段階毎のデスバレー要因
基礎研究(N=29)、製品化(N=30)、事業化(N=40)
複数回答
4 新技術ベンチャーにおける技術経営
4.1 企業内部に係る主要な技術経営
新技術ベンチャーの技術経営の実態について、ま
ず企業内部に係る主要な技術経営に関して、「市場ニ
ーズの明確化及び社内共有」「スピード経営」「トッ
プダウン経営」「ロードマップ作成」の4つの質問項
目を作成し、それぞれの取組み状況ついて、必要性
認識と実施状況について質問した。
まず「市場ニーズを文章やチャートなどで明確に
示し、社内で共有化する」必要性は「かなり必要」
「まあ必要」をあわせて98%にのぼる一方(表4)で、
「かなり実施」「まあ実施」と答えた企業をあわせた
割合は、38%にとどまった(表5)。
「スピードを重視した経営」の必要性(「かなり必
要」「まあ必要」をあわせて 98%)、「トップダウン型
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経営」の必要性(同100%)、「事業化までの指針とな
る独自のロードマップの策定」の必要性(同91%)に
ついて、それぞれ 90%以上が必要性を認識している
一方、「スピードを重視した経営」の実施状況(「か
なり実施」「まあ実施」をあわせて 49%)、「トップダ
ウン型経営」の実施状況(同58%)、「事業化までの指
針となる独自のロードマップの策定」状況(「策定し
ている」60%)は、共に低い割合にとどまった(表4、
表5)。
「市場ニーズの明確化及び社内共有」において必
要性認識と実施状況に他と比較して最も大きな
60%(「かなり必要」「まあ必要」あわせて 98%に対
し「かなり実施」「まあ実施」あわせて 38%)という
差が確認された。
表4 企業内部の主要な技術経営の必要性認識
N=47
表5 企業内部の主要な技術経営の実施状況
N=47
4.2 企業外部に係る主要な企業経営
新技術ベンチャーの技術経営の内、企業外部に係
る技術経営については「外部とのインタラクティブ
な関係構築」の必要性と実施状況、また、弁護士、
弁理士、公認会計士、ベンチャーキャピタル等の外
部専門家との連携に関する必要性認識と連携状況に
ついて質問した。
(1)外部とのインタラクティブな関係構築
外部とのインタラクティブな関係構築の必要性認
識及び実施状況については「顧客」「協力企業」「異
業種企業」「行政」「競合企業」について、それぞれ
の必要性認識と関係構築状況について質問した。
「かなり必要」「まあ必要」をあわせた必要性に関
する割合は、「協力企業」が 92%、「顧客」90%、「異
業種企業」72%、「行政」66%、「競合企業」49%と
なった(表6)。一方、関係構築の実施状況については、
「かなり創っている」「まあ創っている」をあわせた
割合が、「協力企業」53%、「顧客」53%、「異業種
企業」30%、「行政」25%、「競合企業」15%と(表
7)、それぞれ、39%(協力企業)、37%(顧客)、42%
(異業種企業)、41%(行政)、34%(競合企業)必
要性認識を下回った(表6、7)。
「異業種企業」とのインタラクティブな関係構築
において、必要性認識と実施状況に他と比較して最
も大きな差(42%)が確認された。
表6 外部とのインタラクティブな関係構築の必要性認識
N=47
表7 外部とのインタラクティブな関係構築状況
N=47
(2)外部専門家との連携
外部専門家との連携に関する必要性認識及び連携
状況については、「弁理士」「銀行」「弁護士」「公
認会計士」「経営コンサルタント」「人材派遣会社」
「ベンチャーキャピタル」について質問した。
「かなり必要」「まあ必要」をあわせた必要性に関
する割合は、「弁理士」87%、「銀行」68%、「弁護
士」66%、「公認会計士」64%、「経営コンサルタ
ント」60%、「人材派遣会社」56%「ベンチャーキ
ャピタル」53%となった(表8)。一方、各外部専門家
との連携状況については「かなり連携している」「ま
あ連携している」をあわせた割合が、「弁理士」が
38%、「銀行」45%、「弁護士」38%、「公認会計士」
47%、「経営コンサルタント」25%、「人材派遣会
社」32%「ベンチャーキャピタル」17%といずれも
必要性認識を下回った(表9)。
30 JAPAN VENTURE REVIEW No.6 September 2005
公認会計士(差17%)と銀行(差23%)についての
連携状況と必要認識の差は比較的小さい一方で、弁
理士(差49%)とベンチャーキャピタル(差36 %)は、
必要性認識と実際の連携状況に比較的大きな差が確
認された。
表8 外部専門家との連携の必要性認識
N=47
表9 外部専門家との連携状況
N=47
(3)デスバレー克服に向けた技術経営
新技術ベンチャーにおける基礎研究段階、製品開
発段階、事業化段階の各段階のデスバレーを克服す
るためには、どのような技術経営がのぞましいので
あろうか。本論文では、新技術ベンチャーの事業化
段階毎の経営状況に関して、主要な技術経営の実施
状況との相関分析を行った。
基礎研究段階、製品開発段階、事業化段階の各段
階については「確実に成果に繋げている」から「非
常に多くの課題が存在」の 4つの段階、技術経営の
内、企業内部に係る主要な技術経営については「か
なり実施」から「実施していない」の 4段階、企業
外部に係る要素については、「かなり連携(又は構築)
している」から「連携(又は構築)していない」の 4
段階とした。
基礎研究段階においては、デスバレー克服状況と
「市場ニーズの明確化及び共有化」に向けた取組み
との間に有意な相関(5%水準)が確認された。製品開
発段階においては、デスバレー克服状況と「トップ
ダウン型経営」の実施状況(5%水準)、「市場ニーズ
の明確化及び共有化」の実施状況(10%水準)において
有意な相関が確認できた。さらに、事業化段階にお
いては、デスバレー克服状況と「公認会計士」「ベン
チャーキャピタル」等の外部専門家との連携におい
て特に有意な相関(1%水準)が確認された。
表10 事業化段階の経営状況と主要技術経営の相関
*** 1% 水準で有意 (両側) ** 5% 水準で有意 (両側)
* 10% 水準で有意 (両側)
N=47
5 デスバレー克服に向けた含意
5.1 デスバレー現象とその要因及び技術経営の実態
知的財産を活用した新技術ベンチャーに対する質
問票調査から、以下の点が明らかとなった。
(1)新技術ベンチャーの事業化段階毎のデスバレー
状況については、とりわけ事業化段階に深刻なデス
バレー現象が存在すると認識されている。
(2)デスバレーの要因については、各段階を通じて
「人材面の問題」「ビジョンの抽出や需要のコンセ
プト化の問題」が主要な要因と認識されている。
(3)企業内部の主要な技術経営の取組みについては、
「市場ニーズの明確化及び社内共有」について必要
性認識と実施状況との間に最も大きな差(60%)が確
認された。
(4) 企業外部の主要な技術経営の取組みについては、
外部とのインタラクティブな関係構築において、「異
JAPAN VENTURES REVIEW No.6 September 2005 31
業種企業」の必要性認識と実施状況に最も大きな差
(42%)が確認された。また、外部専門家との連携に関
する必要性認識及び連携状況について、公認会計士
(差17%)と銀行(差23%)の連携状況と必要認識の差
は比較的小さい一方で、弁理士(差49%)とベンチャ
ーキャピタル(差36 %)は、大きな差が確認された。
(5)基礎研究段階のデスバレー克服状況と「市場ニー
ズの明確化及び共有化」に向けた取組み、製品開発
段階のデスバレー克服状況と「トップダウン型経営」
「市場ニーズの明確化及び共有化」、事業化段階のデ
スバレー克服状況と「公認会計士」「ベンチャーキャ
ピタル」「弁護士」等の外部専門家との連携において
有意な相関が確認された。
5.2 デスバレー克服に向けての含意
新技術ベンチャーが事業化までの各段階において
デスバレーに陥ることなく、スムーズに事業化を進
めるためにどのような技術経営が求められるのか。
基礎研究段階、製品開発段階、事業化段階の 3つの
段階を順に論じる。
(基礎研究段階)
基礎研究段階においては、最も多く割合の企業が
「人材面の問題」をデスバレー要因としてあげてい
る。また、基礎研究段階のデスバレー克服状況と「市
場ニーズの明確化及び共有化」に向けた取組みに有
意な相関が確認された。
新技術ベンチャーに対するインタビュー調査にお
いて「ニーズ先行の研究開発スタートが重要」「製
品開発前にマーケティングを行い、売れるものしか
作らない」など表現は異なるが、Timmons(1994)が
スタートアップ前のベンチャーのポイントとして指
摘したように、市場ニーズを重視することの必要性
を指摘する意見が多かった。基礎研究段階において
は、優秀な研究人材の確保と共に市場ニーズに基づ
く研究開発が求められる。
ただ、玉田、児玉、玄場(2003)が指摘するように、
基礎研究段階においては、技術分野毎にその特質が
異なることが想定される。新技術ベンチャーにおけ
る基礎研究段階のさらなる分析には、技術分野毎の
詳細な研究が欠かせない。今後の研究テーマとした
い。
(製品開発段階)
製品開発段階においては、最も多くの割合の企業
が「ビジョンの抽出や需要のコンセプト化の問題」
をデスバレー要因としてあげている。また、製品開
発段階のデスバレー克服状況と「トップダウン型経
営」「市場ニーズの明確化及び共有化」に有意な相関
が確認された。
我が国製造業上場企業の製品開発段階を対象とし
た井上、二瓶、石川、船曳(2003)、ナノテクノロジ
ー事業の製品化段階を対象とした桐畑(2004)におい
ても「ビジョンの描出や需要のコンセプト化の問題」
は最大のデスバレー要因と認識されている。「ビジ
ョンの描出や需要のコンセプト化の問題」は、上場、
非上場の企業規模に関係なく、製品化段階における
主要な経営課題であることがわかる。
新技術ベンチャーの製品開発段階においては、「ビ
ジョンの描出や需要のコンセプト化の問題」解消に
向けて、トップのビジョンやイニシアティブ、すな
わち「トップダウン型経営」のもとで、社内におけ
る「市場ニーズの明確化及び共有化」に向けた取組
みが重要であろう。
(事業化段階)
事業化段階においては、各段階を通じて最も深刻
なデスバレーが存在すると共に「人材面の問題」が
その主要なデスバレー要因となっている点が注目さ
れる。
新技術ベンチャーに対するインタビュー調査にお
いても「設立 3年目以降、専門の販売営業人員を雇
用し、マーケティングと営業活動に注力した結果、
売上げが増大した」など、事業化段階においては、
販売、マーケティング分野の従業員確保の必要性を
指摘する意見があった。新技術ベンチャーにおける
事業化段階のデスバレー克服においては、
Moore(1991)の指摘する製品中心の価値観からの転
換に加えて、販売、マーケティング強化に向け、特
に人材面での取組みが求められる。
また、事業化段階のデスバレー克服状況と「公認
会計士」「ベンチャーキャピタル」「弁護士」等の外
部専門家との連携において有意な相関が確認された。
こうした外部専門家との連携は、事業化段階の主要
な経営課題である販売、マーケティング等への直接
の貢献は考えにくい。事業化段階のデスバレーを克
服している企業ほど、人的な経営資源が限られた中
で、内部の人材はできる限り主要な経営課題、すな
わち販売、マーケティングなどに投入し、その他の
業務は出来るだけ外部の専門家に任せているものと
考えられる。
もともと、上場企業などと比較して、中小ベンチ
ャー企業の経営資源は限られている。その上、特許
32 JAPAN VENTURE REVIEW No.6 September 2005
など知的財産権の創造に経営資源を投入している新
技術ベンチャーにおいては、少ない経営資源をもと
で人材をやりくりすることの困難さが伴うことは容
易に想像できる。実際、質問票調査においても事業
化までの各段階を通して、デスバレー要因としてあ
げる割合が最も多かったのが「人材面の問題」であ
った。
Kenny and Burg(2000)は、既存企業、大学、研究
機関などからなる「第一の経済(Economy One)」と
ベンチャー創出を支援する諸組織と制度、すなわち
ベンチャーキャピタル、会計士事務所、法律事務所、
投資銀行などから構成される「第二の経済(Economy
Two)」という概念を提示し、新技術をベースにとし
たベンチャー企業を次々と創出する米国シリコンバ
レーの強みとして、地域としての高い「第二の経済」
の機能の重要性を特に強調している 8)。Hellmann
and Puri(2002)は、この内、シリコンバレーのベン
チャーキャピタルは、人材政策、マーケティング責
任者のリクルーティング、COE の交代等に積極的に
関与していると指摘し、ベンチャーキャピタルが、
人材面での関与を中心に投資先スタートアップ企業
の育成に貢献をしていることを示唆している(p.194)。
しかしながら、ベンチャーキャピタルに代表される
「第二の経済」は、我が国おいて、技術ベンチャー
創出及び育成に十分な役割を果たしているとは言え
ない 9)。
特許など知的財産権をベースとした新技術ベンチ
ャーの技術経営において、リソースパーソンとして
の外部専門家の活用は、特に事業化段階においては
重要と考えられる。技術ベンチャー創出を目指す公
的セクターにあっては、リソースパーソンとしての
外部専門家の機能強化、すなわち新技術ベンチャー
に不足しがちな人材の供給支援機能や外部専門家自
身による不足人材の補完機能強化は、新技術ベンチ
ャー育成の有効な手法といえよう。
謝辞
本論文の審査において、匿名のレフェリーの方か
ら有益なコメントを頂いた。ここに記してお礼申し
上げる。
【注釈】
1) Pfirrmann, Wupperfeld, Lerner(1997)は、新技術に基礎
を置く企業について「技術的発明の事業化における重要な牽
引車とみなすことができる(p.1)」と述べ、先端技術事業化
における新技術ベンチャーの重要性を指摘している。
2) 知的財産基本法(平成 14年法律第 122号)第二条によると、
知的財産とは「発明、考案、植物の新品種、意匠、著作物そ
の他の人間の創造的活動により生み出されるもの(発見又は
解明がされた自然の法則又は現象であって、産業上の利用可
能性があるものを含む。)、商標、商号その他事業活動に用
いられる商品又は役務を表示するもの及び営業秘密その他
の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報」と定義されて
いる。また同第 2条-2 において、知的財産権を「特許権、
実用新案権、育成者権、意匠権、著作権、商標権、その他の
知的財産に関して法令により定められた権利又は法律上保
護される利益に係る権利」と定義している。
本論文では、特に自然法則を利用した技術的思想の創作と
しての発明にもとづき、新規性、進歩性を有し、法的に権利
として保護される特許を特に対象とする。
3) 先端技術事業化に係るデスバレー概念とその要因につい
ては、桐畑(2004)を参照のこと。
4) 例えば、児玉(2003)は、先端技術の事業化におけるデス
バレー現象について、適正な科学技術政策立案のためには
「どの分野にどのような形で存在するのかのきめ細かな調
査をしなければならない(p.11)」と指摘し、IT、ナノテク等
対象とする先端科学技術分野毎、またそれぞれの事業化段階
をきめ細かく分けて、詳細に調査する必要性を示唆している。
5) 三菱総合研究所(2002)は、ナノテク事業化の有力分野で
あるカーボンナノチューブや走査線プローブ顕微鏡等の 16
分野の日米調査を行った上で、我が国のナノテクに取り組む
企業は「基礎的な知見または、技術シーズを基幹技術までく
み上げるところが弱いと見る事が出来る(p.80)」と指摘し、
ナノテク事業化の基礎研究段階においてデスバレー現象が
散見されると論じている。
6) 奈良先端科学技術大学院通信教育講座「知的財産・技術
経営プログラム 2005」は、奈良先端科学技術大学院大学先
端科学技術研究調査センターが、弁理士、弁護士、公認会計
士あわせて 7人を講師として招聘し、中小・ベンチャー企業
に必要な知的財産及び技術経営に関する講義を、インターネ
ットを通じて実施したもの。
(http://www.yous.co.jp/NAIST/2005/boshu.htm)
7) 質問票調査では、知的財産をベースとした先端技術の事
業化までの段階について、基礎研究段階とは「ビジネスのシ
ーズとなる知的財産を創出し、特許など知的財産権を取得す
るまでの段階」、製品化段階とは「特許などの知的財産権を
JAPAN VENTURES REVIEW No.6 September 2005 33
活用して製品化を実現するまでの段階」、事業化段階とは「新
たな市場を形成し、製品販売を拡大するまでの段階」と定義
し、質問票調査を実施した。
8) 基礎研究段階、製品開発段階、事業化段階の経験につい
ては、基礎研究段階では、事業に関連し特許を取得している、
或いは出願中である、製品化段階では、知的財産権のライセ
ンスだけではなく、知的財産権をベースとして製品化のプロ
セスを有する、事業化段階では、売上実績があることを条件
として選定した。
9) Kenny and Burg(2000)の指摘する「第二の経済」、すな
わち、ベンチャーキャピタル、会計士事務所、法律事務所、
投資銀行などのベンチャー創出に果たす役割の重要性に関
する指摘は Lee et al ed.(2000)、今井監修(1998)など、この
他にも多数ある。
10) ベンチャーキャピタルについては、日本と米国のベンチ
ャーキャピタルが、投資後活動を通じて、投資先企業に付加
価値を創出しているのかという点については、Brav and
Gompers(1997)、忽那(1999)、Hamao Y. et al(2000)らの研
究によって、米国においては、ベンチャーキャピタル投資が
投資先企業にとって株価業績に正の影響を与えている一方、
我が国においては、逆の影響を与えているとの研究が報告さ
れている。
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