大腸癌肺転移36例の肺切除後予後について原発巣因子による検討を行った. 36例の5生率は35.9%で,肺切除後の予後因子としてリンパ節転移n2以上,癌先進部の簇出中等度以上,リンパ節以外の非連続性癌進展病巣(ex)陽性が有意であった.この3因子中,全因子陰性か1因子のみ陽性のp-Low群(n=17)は2因子以上陽性のp-High群に比べ肺切除後予後が有意に良好で(5生率75.1%: 0%, p=0.0002),術後無再発生存も長かった(50%無再発生存期間1, 848日: 202日, p<0.0001). p-Low群は肺切除後の再発率が有意に低く(58.8%: 100%, p=0.002),再発例では肺限局の再発が高率であった(60%: 31.6%).肺切除後肺再発例のうちp-Low群の4例, p-High群の2例に肺再切除術が施行され,各群の2生率は75.0%,
... [Show full abstract] 0%であった.大腸癌肺転移例では規約n分類,簇出, exによる原発巣悪性度評価が手術適応決定,予後予測に有用と考えられた.