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Seasonal distribution of Ryukyu-ayu Plecoglossusaltivelis ryukyuensis in the Katoku River, Amami-oshima Island, southern Japan

Authors:
  • Office of river ecological research
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Seasonal distribution of Ryukyu-ayu Plecoglossusaltivelis ryukyuensis in the Katoku River, Amami-oshima Island, southern Japan

Abstract and Figures

The longitudinal distribution of Ryukyu-ayu Plecoglossus altivelis ryukyuensis in the Katoku River, a small stream on Amami-oshima Island, southern Japan, was observed from December 2003 to November 2004. The number of Ryukyu-ayu in pools was greater than in glides or riffles in each life history season [spawning (Nov. to Feb.), up stream migration (Mar. to May) and growth (Jun. to Oct.) seasons], an analysis by Spearman’s correlation coefficient by rank test indicating that such abundance in pools tended to be consistently greater in lower reaches. This suggests that large pools in lower reaches are an important habitat for Ryukyu-ayu in the Katoku River. Accordingly, for the future conservation of the lower reaches and creation of large pools may be a positive step of this endangered fish.
Content may be subject to copyright.
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1619–0211 京都府木津川市鹿背山当田 72–5 河川生態調査
2891–0132 鹿児島県鹿児島市七ツ島 1–1–5 財団法人鹿児島県環境技術協会
2013 315 日受付 ; 2013 721 日改訂 ; 2013 725 日受理)
キーワード:リュウキュウアユ,流程分布,河床型,淵,奄美大島
Japanese Journal of
Ichthyology
© The Ichthyological Society of Japan 2013
Tei Kishino* and Toshihiko Yonezawa. 2013. Seasonal distribution of Ryukyu-ayu
Plecoglossus altivelis ryukyuensis in the Katoku River, Amami-oshima Island, southern
Japan. Japan. J. Ichthyol., 60 (2): 91–101.
Abstract The longitudinal distribution of Ryukyu-ayu Plecoglossus altivelis ryukyuensis
in the Katoku River, a small stream on Amami-oshima Island, southern Japan, was
observed from December 2003 to November 2004. The number of Ryukyu-ayu in pools
was greater than in glides or rifes in each life history season [spawning (Nov. to Feb.),
up stream migration (Mar. to May) and growth (Jun. to Oct.) seasons], an analysis by
Spearman’s correlation coefcient by rank test indicating that such abundance in pools
tended to be consistently greater in lower reaches. This suggests that large pools in lower
reaches are an important habitat for Ryukyu-ayu in the Katoku River. Accordingly, for the
future conservation of the lower reaches and creation of large pools may be a positive step
of this endangered sh.
*Corresponding author: Ofce of River Ecological Research, Touda 72–5, Kaseyama,
Kizugawa, Kyoto 619–0211, Japan (e-mail: tei_kishino@ybb.ne.jp)
ュウキュウアユ Plecoglossus altivelis ryukyuensis
は,アユ P. altivelis altivelis の亜種で,沖縄島と
奄美大島にのみ生息する(Nishida, 1988.沖縄島
自然個体群は 1978 年の記録を最後にすでに絶滅
している(立原2009その1992 年に,奄美
大島役勝川産の親魚から得た種苗が沖縄島へと放
流され,現在では沖縄島北部に位置する複数の
ダム湖内で陸封型個体群が定着している(立原,
2009.しかし,継続して河川への種苗放流が試
みられているにもかかわらず,本来の両側回遊
型の定着には至っていない(井口2008;立原,
2009.一方,奄美大島には両側回遊型の生活史
をもつリュウキュウアユが生息している(西田ほ
か,1992宮,1997.鹿児島県は,本亜種を
絶滅危惧 I類に指定し(四宮ほか2003
希少性の高さを周知するとともに,2004 年に鹿
児島県希少野生動植物の保護に関する条例を施行
し,亜種を全面禁漁とした.これらによって,
奄美大島の本亜種は行政面からの保護を受けてい
る.
本亜種は新亜種として記載される以前から,
の危険性が継 続して指摘されてきた(諸 喜田ほか,
1975村,1989;西田ほか1992四宮,1997これ
をうけ,初 期 発 生Tachihara and Kawaguchi2003
態(西田・内村,1987;岸 野・四宮,
2004a2006Kawakami and Tachihara2010と餌生物
(岡ほか,1996Kawakami and Tachihara2005;小針
か,2012初期生活場所の特性(岸野・四宮,2005
岸野ほか,2008Otsuki et al., 2009)および遡生態
(岸野・四宮,20032004b)に関する知見が集積さ
これらの先行研究によって初期生活期に
おける河口域の重要性が指摘されている(岸野,
2009立原2009.その一方,成魚の河川生活
期における生態学的知見は十分とは言えないのが
現状である.これまでに,奄美大島での分布(西
ほか1992;澤志ほか,1992,産卵場の環境


 
󰯾󰯷
特 性( 鶴 田 ほ か,2009, 摂 餌 生 態( 川 那 部,
1972Awata et al.2011)や生息河川における付
着藻類の生産力(阿部ほか,2008)に関する研究
が行われてきたが,各個体がいつどのような環境
を利用するかといった,河川環境の具体的な利用
状況に関する情報はきわめて少ない(安房田ほ
か,2011.河川環境を本亜種がどのように利用
するかは,人為的環境改変が本亜種の生息に与え
る影響を検討するうえで必要不可欠であるのみな
らず,すでに絶滅した沖縄島のリュウキュウアユ
を蘇生させるための河川再生事業にも重要な情報
を提供しうる.
本研究では,奄美大島のリュウキュウアユ生息
河川としては流程が短いものの,人為的改変の少
ない嘉徳川に着目し,周年を通して全生息域にわ
たる河床単位ごとの生息数を潜水目視によって調
査した.この生息数と河川環境との関連性を検討
し,小河川における本亜種の河川生息環境の特性
を明らかにすることを目的とした.
調査場所と方法
調査河川の概要 奄美大島は九州最南端の佐多
岬から南南西およそ 300 km に位置する(Fig. 1
本島の南東部を流れる嘉徳川は,流路延長約 6
km の小河川である.本河川の河口は,嘉徳湾の
湾奥部にある砂浜海岸に開き,部分的に閉塞して
いることが多い.汽水域は河口から 0.4 km
までであり,干潮時における最大流幅は 30 m
満たない.流程のほとんどが自然河岸で,ダムや
砂防堰堤などの河川横断施設はない.この河川に
はリュウキュウアユの生息情報があるものの(澤
志ほか,1992四宮,19971990 1996 年に
はその生息が確認されていない(澤志ほか
1992;岸野,未発表データ).ところが 1998 年か
2012 年までは継続して本亜種の生息が確認さ
れている(米沢,未発表データ).本河川に最も
近く,本亜種の生息が安定している河川は,役勝
川と住用川であることから(西田ほか,1992;澤
ほか1992宮,1997,嘉徳川の個体群は
役勝川・住用川産に由来すると推測される.
個体数調査 事前調査の結果,河口から 1.6 km
より上流ではリュウキュウアユを確認できなかっ
たため,河口から約 2 km までを調査範囲とした.
この範囲には,本亜種の移動を妨げる落差は存在
しなかった2003 12 月から翌年 11 月までの
各 月(8月は増水にともなう濁りにより欠測)
に,この調査範囲内にある河床単位ごとに,潜水
目視によって本亜種の個体数を記録した.この
際,体長を小型個体(標準体長:SL<7 cm
型個 7–14 cm SL)および大型個体(≧ 14 cm
SL)に区分した.汽水域を除く流幅は,平均 7 m
と狭く,潜水目視により流幅全体を観察するに足
る透視度であった.本亜種のほかに調査範囲内に
出現した遊泳性魚類は,淡水域ではオオクチユゴ
Kuhlia rupestrisユゴ Kuhlia marginataギン
ガメアジCaranx sexfasciatus, ボ ラ Mugil cephalus
Fig. 1. Map showing survey area of the Katoku River on Amami-oshima Island. On Amami-oshima Island, there are two
Kawauchi Rivers, which are distinguished here by the sufx W (west) and E (east).
 󰯾󰯸
cephalus,ミナミクロダイ Acanthopagrus sivicolus
セスジタカサゴイシモチ Ambassis miops およびタ
メトモハゼ Ophieleotris sp. であり,汽水域ではこ
れらに加え,コトヒキ Terapon jarbua,ゴマフエ
Lutjanus argentimaculatus,オキフエダイ
Lutjanus fulvus,クロホシフエダイLutjanus
russellii,ギンユゴイ Kuhlia mugil,クロコショウ
ダ イ Plectorhinchus gibbosus およびクロホシマン
ジュウダイ Scatophagus argus であった.これらの
魚種は,いずれも本亜種と体型,体色および遊泳
方法が異なり,観察者との距離が 5 m 以上離れて
いても容易に本亜種と識別できた.
河川環境調査 河川環境に関する調査は 2004
11 月に行い,それぞれの河床単位を可児
1944)に従って,早瀬(Rife,淵Pool)お
び平瀬(Glide)のいずれかの河床型に区分した.
それぞれの河床型の位置を 1/5000 地形図に記録
し,その河口からの距離をその河床型の下流端の
位置で表した.リュウキュウアユの生息に関与す
る環境条件として,それぞれの河床型について流
速(m/s3所)水深m3ヶ所),流幅m
3ヶ所およ び流路長(m)を測定し,植物被覆
割合と底質を目視により記録した.植物被覆割合
は,それが本亜種の餌生物である付着藻類の成長
に影響すると考え,各河床型が植生によって覆わ
れる割合と定義して,その割合を 10 段階で評価
した.底質については,藻類の付着基盤としての
安定性の指標として,砂(sand: 粒 径:<米 粒
大 ), 小 礫gravel:米粒大から拳大),中礫
pebble:拳大から人頭大),大礫(large pebble
人頭大から半等身大)および岩(rock:それ以
上)といった 5つの底質類型基準を設け,この順
1から 5のスコアを与えて優占した底質類型の
スコアを解析に供した.流速は中性浮力に調節し
100 ml 容器を 1–2 m 流した流下時間から算出
し,各河床型の面積は平均流幅と流路長から算出
した.また,各調査日に河口から 0.6 km(嘉徳橋)
1.6 km(川内橋)の位置で,棒状アルコール温
度計により水温を測定した.河川流量として,嘉
徳川から約10 km 離れた気象庁古仁屋測候所
http://www.jma.go.jp/jma/index.html2013 3月参
照)で観測された降水量を使用した.さらに,産
卵場の位置を確認するため,2003 12 月から翌
2月と 11 月に淡水域下限近くにある平瀬で産
着卵の有無を調査した.
解析 本亜種は,基本的に年魚とされ(四宮,
1997,調査期間中に本亜種が利用する環境なら
びに生息個体数が大きく偏ることが予想される.
このため,先行研究を基に,11–2 月を産卵期(西
田・ 内 村,1987; 四 宮,1997;岸野・四宮
2004a3–5 月を遡上期(岸野・四宮2003
2004b20056–10 月を成長期(四宮,1997)と
し,それぞれの生活期に分けて解析した.
本調査によって得られた環境条件のデータは,
11 月の調査結果にのみ基づき,かつ,尺度変数
被覆割合と底質)を含んでいる.このた
め,統計学的な解析にはノンパラメトリックな手
法を採用し,統計量は同順位を補正した値を用い
た.なお,調査範囲内にある各河床型の位置や規
模は,調査期間を通じて変化しなかった.
結 果
河川環境の季節的変化 河川水温は,調査を開
始した 12 月には上下流ともに 20˚Cを下回り,1
月には上流側 13.9˚C17.2˚Cの最低水温
を記録した(Fig. 2.その後,水温は徐々に上昇
し,6–7 月には上下流ともに 25˚C以上に達した
が,8月以降低下し始め,11 月になると上下流と
も再び 20˚C以下となった.産卵期12–2 月,11
月 ), 遡 上 期(3–5 月)および成長期(6–10
における平均水温はそれぞれ,上流側で 16.0˚C
20.1˚Cおよび 24.2˚C,下流側で 18.9˚C21.5˚C
24.2˚Cであった.産卵期の平均水温こそ上
流側が低かったが,他の生活期では上下流間に大
きな差はなかった.降水量は,産卵期から遡上期
にかけて比較的少なく,50 mm/ 日以上を記録し
たのは 2月下旬の 1日のみであった(Fig. 3
長期の降水量は,6月上旬から中旬に約 50 mm/
日を連続的に観測したが,以降 8月中旬までは比
較的少なかった.その後,8月下旬と 9月上旬に
100 mm/ 日以上の大雨が,さらに 10 月中旬にも
100 mm/ 日近くの降水量が記録された.
個体数の季節的変化 本調査において観察され
たリュウキュウアユの個体数の月別変化を体サイ
ズごとに Fig. 3 に示した.調査を開始した 12
には合計 263 個体を確認した.それらの 89
中型個体(7–14 cm SL)で占められ,わずかに大
型個体(≧ 14 cm SL;全体の 11%)が含まれてい
た. 後,2月になると個体数が 12 51%
まで減少し,大型個体を確認できなくなった.3
4月には約 3 cm SLの小型個体が確認され
た.4月の個体数は , 2 182% し,
󰯾󰯹
Table 1. Environmental data for each riverbed section in the Katoku River in Nov. 2004.
(Lower sections (Nos. 0–4) were covered by brackish water.)
Riverbed
section
number*
Riverbed
type
Distance
from
mouth**
Length Mean
width Area Maximum
depth
Mean
velocity
Dominant
substratum
type***
Areal proportion
covered by plants
(m) (m) (m; N = 3) (m2) (m; N = 3) (m/s; N = 3) (in 10 steps)
0 (Glide) 0 112 – – 1 0
1 Pool 112 85 15.7 1332 0.5 0.14 1 0
2 Glide 197 98 14.0 1372 0.2 0.37 1 0
3 Pool 295 96 14.0 1344 0.6 0.09 1 0
4 Glide 391 25 16.3 408 0.2 0.22 1 0
5 Pool 416 66 14.7 968 2.5 0.02 2 1
6 Glide 482 104 11.3 1179 0.5 0.43 3 0
7 Pool 586 75 9.0 675 1.7 0.02 2 1
8Rife 661 8 6.3 51 0.2 0.56 2 0
9 Glide 669 19 5.7 108 0.3 0.23 3 1
10 Rife 688 13 5.3 69 0.1 0.56 4 2
11 Pool 701 37 6.0 222 0.8 0.16 2 3
12 Rife 738 62 4.3 269 0.2 0.56 3 0
13 Pool 800 101 9.7 976 1.4 0.03 2 1
14 Rife 901 57 2.3 133 0.3 0.69 3 1
15 Glide 958 62 8.7 537 0.5 0.11 3 0
16 Rife 1020 35 5.7 198 0.3 0.36 4 0
17 Glide 1055 55 4.7 257 0.4 0.21 2 1
18 Rife 1110 50 5.3 267 0.3 0.78 3 0
19 Glide 1160 34 8.7 295 0.6 0.14 4 0
20 Pool 1194 30 5.0 150 0.9 0.11 4 0
21 Rife 1224 104 6.7 693 0.2 0.56 3 0
22 Pool 1328 67 10.7 715 1.6 0.02 2 1
23 Rife 1395 183 7.0 1281 0.3 0.89 3 1
24 Pool 1578 51 6.3 323 1.3 0.15 4 0
25 Rife 1629 13 5.0 65 0.3 1.00 4 1
26 Glide 1642 63 5.7 357 0.4 0.48 3 0
27 Pool 1705 21 5.0 105 0.9 0.09 2 1
28 Glide 1726 52 6.0 312 0.6 0.41 3 1
29 Rife 1778 16 5.3 85 0.2 0.72 4 1
30 Glide 1794 58 6.0 348 0.5 0.26 3 1
31 Pool 1852 10 7.3 73 0.7 0.12 2 2
32 Rife 1862 69 7.7 529 0.4 0.83 4 6
33 Pool 1931 20 8.7 173 0.8 0.15 2 3
*Corresponding to the top bars of Fig. 4. **Distance measured at lowest point of each riverbed section. ***1: sand, 2: gravel, 3:
pebbles, 4: large pebbles, 5: rock. See also text.
 󰯾󰯺
型個体が中型個体とほぼ同数に達した.この間,
中型個体の減少はわずかであった(212%
減)5月の結果は河川水の濁りにより,過小評
価されたと考えられ,前後の月より個体数が少な
かった.ただし,総個体に対する小型個体と中型
個体の割合は,4月と同様であり,大型個体は確
認されなかった.6月に入ると大型個体が出現し,
4月の体長組成に比べ,小型個体が減少し,中型
個体が増加した.一方,総個体数は 4月の 86%
に減少した.以降 11 月まで,総個体数は斬減し,
11 月には前年 12 月の 52%455%に減少し
た.
Fig. 2. Monthly changes in water temperature (open and solid circles) at the Katoku River and
precipitation (lines) at Setouchi Town (Koniya), located approximately 10 km south of the Katoku River.
Fig. 3. Monthly changes in number of Ryukyu-ayu individuals in the Katoku River from December
2003 to November 2004. *Observations made in lowered visibility.
󰯾󰯻
流程分布 リュウキュウアユの月別流程分布と
ともに各河床型の位置を Fig. 4 に示した.汽水域
では 1年を通して本亜種を確認できなかった.産
卵期には多くの個体82–100%)が河口から
1.0 km より下流の範囲に出現した.産着卵は,河
口から 0.5 km 付近の平瀬で認められ,この平瀬
の上下流の淵に多くの個体が群泳していた.この
平瀬の一部は,12–2 は,“ 瀬 れ ”(水に
より河川水が伏流し,部分的に河床が干出する現
象)によって干上がっていた.しかし,産卵場直
下の淵(河口から 0.4 kmで,12 月にいなかっ
たリュウキュウアユが,1月には確認できたため,
この干出区間は降雨時には通水すると推定され
た.産卵期にはこのような “ 瀬切れ ” が,河口か
ら約 1 km までの範囲で断続的に認められ,本亜
種は隔離された淵で群れていた.
遡上期になると,リュウキュウアユは,調査範
囲内の上流端にまで出現した.河口から 1.5 km
より上流では小型個体のみが確認され,中型個体
の多くは上流側に移動することなく,移動しても
その距離は短かった.そのため,全体的な分布の
中心は,産卵期と同様に河口から 1.0 km より下
流側に位置した.“ 瀬切れ ” は,遡上期の 3月に
も河口から約 0.7 km に位置する淵の前後で認め
られた.ただし,その上流でも小型個体が確認さ
,この時期の “ 瀬切れ ” は, 一時的なもので
あったと推測された.
成長期をみると,リュウキュウアユの流程分布
8月を境に変化した.その分布は,6月と 7
には河川全体に分散していたが,9 10
はこれまでの生活期と同様に,河口から 1.0 km
より下流側に集中した“ 瀬切れ ” は,7 3
月と同じ場所で認められた.
河床型 調査期間を通じ,汽水域ではリュウ
キュウアユを確認できなかったため,以降の解析
から汽水域を除外した.調査範囲内の淡水域に
は,早瀬 11,淵 10平瀬 8の合計 29 の河床型
存在した(Table 1Fig. 4これ3つの河床型
間で,河口からの距離,流路長,平均流幅,面
積,最大水深,平均流速,優占底質および植物被
覆割合をKruskal-Wallis 検定によって比較した
その結果,河床型の間には最大水深,平均流速お
Fig. 4. Monthly changes in abundance of Ryukyu-ayu (circles) with longitudinal distribution, and riverbed type
distribution (top bars and numbers corresponding to Table 1) in the Katoku River. Horizontal lines indicate ow
connection, broken parts absence of ow connection. Double circles indicate Ryukyu-ayu eggs. *Observations made in
lowerd visibility.
 󰯾󰯼
よび優占底質において差が認められたものの(い
ずれも P<0.05,河口からの距離,流路長,平均
流幅,面積および植物被覆割合には差がなく(い
ずれも P0.05,流程や面積的な偏りは,河床
型間に認められなかった.最大水深と平均流速に
,すべての河床型間で差が認められ(Steel-
Dwass 法:P<0.05,早瀬は淵および平瀬よりも
水深が小さく,流れが速く,淵は早瀬および平瀬
よりも水深が大きく,流れが遅かった.平瀬の水
深と流速は,早瀬と淵の中間的な特徴を示した.
優占底質は,早瀬と淵の間でのみ差が認められ
P<0.05,早瀬は淵よりも大型の底質が優占して
いた.
各河床型の環境条件と河口からの距離の関係を
検討した.早瀬では,河口からの距離と平均流速
の間に正の相関関係があり,下流ほど流れが遅く
なる傾向にあったが(Spearman の順位相関係数:
rs = 0.69P<0.05,その他の環境条件との間には
有意な相関関係はなかった.淵では,流路長,面
積および最大水深との間に負の相関関係があり
(いずれも P<0.05,下流ほど淵の流路長が長く
rs = 0.72が広 rs = 0.66が大
きいrs = 0.69)傾向にあった.しかし,面積に
関与する流幅も含めたその他の環境条件との間に
は,相関関係がなかった.平瀬では,いずれの環
境条件も河口からの距離との間に有意な相関関係
はなかった.
リュウキュウアユ生息と河床型 各河床型にお
いてリュウキュウアユが出現した数としなかった
数を用い,本亜種の在・不在に対する河床型によ
る差の有無を生活期別に検討した.各生活期には
個々の河床型について複数の観察結果が含まれる
ため,その生活期で 1回でも本亜種が出現した河
床型は,在として計数した(Table 2.その結果
産卵期と遡上期では河床型は本亜種の在・不在に
連しx2独立性の検定:産卵期P = 0.01
上期,P<0.001,本亜種は早瀬や平瀬よりも淵に
多く存在したが,成長期になると,河床型は本亜
種の在・不在に関連せず(P = 0.62,すべての河
床型に出現した.
次に,同じ河床型でも本亜種の確認個体数が異
なるため(Fig. 4,どのような環境条件に本亜種
が多く出現するのかを,個々の河床型における生
活期別の平均個体数と各環境条件(Table 1の間
で,Spearman の順位相関係数を用いて解析した.
産卵期の早瀬と平瀬では,本亜種の確認個体が少
なかったため,淵のみで検討した(Table 2
の結果,淵における平均個体数は,河口からの距
離が短いほど,流路長が長いほど,平均流幅が広
いほど,面積が広いほど,最大水深が大きいほど
多い傾向にあった.遡上期には,早瀬に本亜種が
いなかったため,淵と平瀬について検討した.淵
Table 2. rs values of Spearmanʼs correlation coefcient by rank test between mean number of Ryukyu-ayu
and each environmental variable in Table 1 for each riverbed section in each life history season.
Riverbed
type
Number of
each riverbed
section
Number of sections
where Ryukyu-ayu
was observed
Distance
from
mouth
Length Mean
width Area Maximum
depth
Mean
velocity
Dominant
substratum
type
Areal propor-
tion covered
by plants
Spawning season (Dec. 2003 to Feb. and Nov. 2004)
Rife 11 0 – –
Pool 10 5 -0.79* 0.93** 0.70* 0.88** 0.79* -0.64 -0.27 -0.11
Glide 8 1 – –
Upstream migration season (Mar. to May 2004)
Rife 11 1 – –
Pool 10 10 -0.83* 0.89** 0.55 0.82* 0.76* -0.68* -0.26 -0.16
Glide 8 2 0.05 0.48 0.06 0.51 -0.15 -0.11 0.00 -0.57
Growth season (Jun. to Oct. 2004)
Rife 11 5 -0.48 -0.09 -0.67* -0.15 -0.35 -0.52 0.14 0.01
Pool 10 6 -0.71* 0.91** 0.76* 0.94* 0.74* -0.53 -0.30 -0.01
Glide 8 3 -0.76* 0.10 0.35 0.25 -0.28 -0.33 0.00 -0.25
*P<0.05, **P<0.01
󰯾󰯽
における平均個体数は,河口からの距離が短いほ
ど,流路長が長いほど,面積が広いほど,最大水
深が大きいほど,平均流速が小さいほど多い傾向
にあった.平瀬における平均個体数と各環境条件
の間には,いずれの環境条件においても相関関係
はなかった.成長期にはすべての河床型で本亜種
が確認され,それぞれについて検討した.平均個
体数は,早瀬では流幅が狭いほど,淵では河口か
らの距離が短いほど,流路長が長いほど,平均流
幅が広いほど,面積が広いほど,最大水深が大き
いほど,平瀬では河口からの距離が短いほど多い
傾向にあった.
考察
個体数の季節変化 4月の小型個体(遡上個
体)の数は,産卵期を経過した中型個体(越年個
体)の数とほぼ等しく,両者を合わせても 12
の個体数より少なかった(Fig. 36月の個体数
は,4月よりも減少していたので,4月以降の新
規加入はきわめて少ないと推察された.以上か
ら,本年の嘉徳川への遡上量は少ないと判断され
る.基亜種であるアユの遡上量は,前年の河川で
生まれた仔魚の降下量とも関連し,降下量は遡上
量に寄与するという(相澤ほか,1999;吉本・高
橋,2006.本調査期間中,孵化仔魚が降下する
盛 期( 西 田・ 内 村 ,1987;岸野・四宮2004a
と推定される 12 月から 1月に,産着場の平瀬と
その上流側で “ 瀬切れ ” が認められた(Fig. 4
このため本年は,親魚の産卵への加入と孵化仔魚
の降下に支障があり,このことが遡上量の少な
かった要因として挙げられる.また,嘉徳川で小
型個体を初めて確認したのは 3月であった.この
ため,本年の遡上は早くとも 2月中旬以降に始
まったと考えられる.役勝川と川内川(奄美大島
東岸:Fig. 1)では,1月中旬から下旬に本亜種の
遡上が始まるのに対し,河内川(同西岸)では 2
月上旬から下旬に開始されることが多く,後者の
遡上が前 2者に対して遅いことが知られている
(岸野・四宮2005このような,河川間の遡上
開始時期の差は,低塩分環境の規模に関連し,低
塩分環境が小さい河内川では水温が高い 12 月以
前に孵化した仔魚の多くが回帰できないと推察さ
れている(岸野・四宮,2005,岸野ほか,2008
したがって,本調査で遡上時期が遅れた要因のひ
とつとして,河内川と同様に汽水域の小さな嘉徳
川では12 月生まれの仔魚の多くが回帰しなかっ
た可能性があり,このことも,本年の少ない遡上
量に反映されたと考えられる.
4月以降,全体の個体数は徐々に減少し,11
には前年 12 52%となった.この 11 月の総
個体数は,4月に観察された新規加入個体(遡上
個体)の数より多かった.越年個体のすべてが死
亡し,遡上個体のすべてが生残したと仮定しても
この個体数の差を説明できない.リュウキュウア
ユの遡上個体は,約 3 cm SLと小型であり(岸
野・四宮,2003Tachihara and Kawaguchi20 03
魚食性魚類(オオクチユゴイ,ギンガメアジ,ミ
ナミクロダイなど)によって捕食される可能性は
越年個体より高いと推測され,遡上個体のすべて
が生残したとは考えにくい.日本本土のアユは,
遡上数が年によって大幅に変化しても,夏季の生
息数が遡上数の 30–50%に収まるという(川那
部,1970上から,11 月の総個体数に含まれ
る越年個体の数は無視できず,年魚であるアユと
異なるリュウキュウアユの重要な生態的特徴と推
察される.
河床型と流程分布 産卵期のリュウキュウアユ
は,他の河床型よりも淵で多く確認された(Fig.
4Table 2.同じ淵でも,本亜種はより下流側の
大規模な淵に多い傾向があった.特に,産卵場と
なる平瀬の上下流に位置する淵に多かった.アユ
は,産卵期が近づくと定着していた生活場所から
下流側へと移動し(川那部ほか,1956; 石 田,
1964;井口ほか,1998産卵が始まると産卵場
に近接する淵を休息場所として利用する(西田
1979.このようなアユの産卵期の行動特性は,
リュウキュウアユでも認められ(四宮,1997;安
房田ほか,2011,亜種間で共通すると考えられ
る. また,12 月から 2月には降雨が少なく(Fig.
2,下流側の早瀬や平瀬で “ 瀬切れ ” が観察され
た.その結果,本亜種は,渇水時にも水量が保た
れる淵に多かった可能性もある.しかし,上流側
は常に一定以上の水量が保たれていたにもかかわ
らず,本亜種は下流側と同様,淵のみに分布して
いたFig. 4したがって,本亜種は産卵期に淵
を選択的に利用すると考えられる.また,“ 瀬切
れ ” は,嘉徳川に限られた現象ではなく,より規
模の大きな川内川でも認められる(岸野,未発表
データ).このため,大きな水深をもつ淵の存在
は,このような渇水時の避難場所として機能する
といった一面もある.
さらに遡上期にも,他の河床型より淵に多くの
 󰯾󰯾
個体が分布し,この時期に限り,本亜種は調査し
たすべての淵に出現した.リュウキュウアユの遡
上個体は,アユのそれと比較し,体長で 1/2,体
1/10 ときわめて小型であり,遊泳能力が低
く遡上速度が小さい(岸野・四宮2003
2004b.淵は,早瀬や平瀬よりも流速が小さく
遊泳能力の劣る遡上個体にとって不可欠な河床型
である.これを反映して,遡上期のみに流速が小
さい淵ほど個体数が多いという関係が成立したと
考えられる(Table 2.また,この時期にも産卵
期と同様に,下流側の淵ほど個体数が多い傾向に
あった.調査期間中,遡上期の降水量は産卵期よ
く(Fig. 2“ 瀬切れ ” が観察されたのは 3
月のみであった.そのため,遡上個体の上流への
移動が,“ 瀬切れ ” により大きく妨げられること
なく,少数ながら上流端にまで分布を広げてい
た.しかし,産卵期に下流側へ移動した個体は
越年後,再遡上しなかった.遡上期には,越年個
体と遡上個体がほぼ同数であったことから,相対
的に下流の個体数が多くなったと推察される.
成長期も同様に下流側の規模の大きな淵に多く
の個体が出現したが,この時期になると早瀬や平
瀬にも進出していた.早瀬や平瀬の個体は,大き
な流速でも定位できる大・中型個体が優占し,小
型個体はほとんど出現しなかった(Fig. 4.こ
ため,成長にともなって,淵以外の河床型も利用
するようになると考えられる.また, 67月には
河口から 1 km より上流側にも生息していたが,8
月を境に 9月から 10 月になると,生息域が下流
側にシフトしていった.これは,8月下旬と 9
上旬の 2度にわたる大雨により,上流の個体が下
流に流された結果と考えられるが,増水は 6月に
もあった(Fig. 2.この時には一旦下流に流され
た個体が,再遡上していた.このような季節によ
るリュウキュウアユの遡上行動の変化は,これま
で知られておらず,今後の重要な研究課題と考え
られる
嘉徳川のリュウキュウアユは,全生活期を通
じ,河口1 km より下流側に多かった.島嶼
では平野が発達しないため,リュウキュウアユに
とって好適な中流域は汽水域直上から存在し(諸
喜田ほか,1975;澤志ほか,1992,そこでの生
息密度が環境収容力の許容範囲を超えなければ,
さらに上流へと移動する必要性が生じない.本調
査結果で多くのリュウキュウアユを確認した No.
7No. 13 の淵の面積はそれぞれ675 m2976
m2であったが(Table 1,そこでの確認個体数は
多くとも 200 個体未満であった(Fig. 4 地ほ
か(1952や内田・阿部(2002)は,アユの適
密度として 1個体 /m2以下を示している.この適
正密度を考慮すると,本調査での密度が環境収容
力を超えたとは考えにくく,この低い密度が上流
側へと生息範囲を広げなかった理由かもしれな
い.加え,この河口から 1 km 前後の位置は他
の区間の渓相と異なり,早瀬と平瀬が交互に約
400 m 連続し,その間に淵が存在しない区間で
あった.このような淵が混在しない長い渓相が,
本亜種の移動性に与える影響については,今後検
討する必要がある.
既存知見との比較 京都府宇川における夏季の
アユの生息密度は,他の河床型より早瀬で高い
(川那部,1970.一方,今回の結果では,夏季に
も淵に多くの個体が分布した.アユの成長期(7
8月)における選好流速は,体サイズと関連し
大型個体(体長13–19 cm)ほど大きい流速下
25.0–66.6 cm/s)で定位する(本田・山本
2006.宇川で観察されたアユは,体長 15 cm
上の個体が多いのに対し(川那部1970本調
査では体長 14 cm 未満の個体がほとんどであっ
た.このような体サイズの違いが,選択される河
床型の違いに反映された可能性がある.
役勝川は,奄美大島の河川の中でリュウキュウ
アユが最も多く生息する(西田ほか,1992;澤志
ほか,1992.この河川の夏季における生息密度
を説明する環境条件は,開空率(植物被覆割合)
と水深であり,開空率が高いほど,水深が大きい
ほど生息密度が高くなる(安房田ほか2011
この先行研究と今回の結果を比べると,水深につ
いては同様であったが,開空率は一致しなかっ
た.一般に河川は,河口からの距離が長くなるほ
ど河岸の植物被覆割合が高くなる.ところが,嘉
徳川の調査範囲は,河口から 2 km 未満であり,
流程により植物被覆割合の顕著な差がなかった
Table 1.これが,本結果で植物被覆割合が生息
数に影響を与えなかった要因と考えられる.ま
た,底質と生息数の間にも相関関係はなかった.
これは今回,類型化した優占底質を代表値として
扱ったため,底質の特性を十分に反映できなかっ
た可能性があり,今後は,礫径を実測するなど
底質を評価する方法を検討する必要がある.
河川生息環境の現状 奄美大島のリュウキュウ
アユ生息河川の流域では,下流側に住宅が集中
し,流域住民の人命と財産の保護および生活基盤
整備を目的とし,河道の拡幅や護岸の新設など河
󰯶󰯵󰯵
川改修や災害復旧工事,あるいはそれにともなう
道路工事などが頻繁に行われている.これらの工
事により,奄美大島最大の生息地である役勝川で
は,本亜種の生息環境として重要な下流側の淵が
矮小化もしくは消滅し,さらに河床の平坦化が顕
著に進行しつつある.また,河道の直線化と拡幅
の影響で,工事後の増水による淵の再生も遅々と
して進んでいない.阿部(2012)は,アユが平坦
な河床よりも凹凸のある河床を選択することを実
験的に示し,河川改修による河床の平坦化に危惧
を示している.将来にわたる本亜種の保護には,
奄美大島で進行中の河川環境の単純化を食い止
め,淵の維持あるいは淵を復元しやすい河川法線
や横断面を設計し,工事終了時に作業中に埋めた
淵を再生する配慮が必要不可欠である.
謝 辞
現地調査の一部は,鹿児島大学水産学部の杉野
文哉氏と石瀬 学氏にご協力いただいた.鹿児島
大学水産学部(当時)の四宮明彦博士ならびに琉
球大学理学部の立原一憲博士からは研究全般にわ
たる有益な助言を,中央水産研究所(当時)の井
口恵一朗博士からは初期の原稿に対する貴重な指
摘を,新潟大学の安房田智司博士からはリュウ
キュウアユの河川生活期における重要な情報を,
日本海区水産研究所の阿部信一郎博士からは有用
な文献をそれぞれ提供いただいた.匿名の 2名の
査読者からは建設的かつ有益な助言を,琉球大学
理学部の Dr. James Davis Reimer には英文校閲の労
を執っていただいた.この場を借りて各氏に対
し,謹んで厚く御礼申し上げる.
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Article
We examined monthly occurrence patterns and feeding habits of larvae and juveniles of the critically endangered Ryukyu-ayu Plecoglossus altivelis ryukyuensis in the lower reach of the Kawauchi River, Amami-oshima Island, southern Japan, for two successive years. The study area was classified into a brackish lake (Lake Uchiumi) and a coastal zone (Sumiyo Bay) based on monthly variations in water temperature and salinity. Larvae and juveniles occurred from December to April in the first year and from January to February in the second year, respectively. Smaller-sized and earlier developmental-staged P. altivelis ryukyuensis individuals tended to emerge in larger numbers in Lake Uchiumi than in Sumiyo Bay. The present data suggest that Lake Uchiumi, where the physical environment is characterized by lower temperature and salinity than in Sumiyo Bay, would be suitable as a nursery ground for this fish, especially for earlier developmental-staged larvae. No individuals ?25.0 mm body length, which is the size at which they begin their upstream migration, occurred in Lake Uchiumi or Sumiyo Bay in April or May, when upstream migration is assumed to reach a peak based on previous studies, in either year. The peak of upstream migration, therefore, may have occurred several months earlier in the years covered in this study due to higher water temperature than in typical years. To assess the feeding habits of this fish, the gut contents were observed. In both areas, copepods were abundant in P. altivelis ryukyuensis diet with calanoids and Oithona spp. being the most abundant. The diet composition differed between Lake Uchiumi and Sumiyo Bay and clearer ontogenetic variation in the composition of the diet was observed in Lake Uchiumi. Small individuals fed on tintinnid ciliates, but the proportion of these organisms in the diet gradually decreased with growth. Large individuals fed exclusively on harpacticoid copepods and insects including demersal species. Overall, larval and juvenile P. altivelis ryukyuensis exhibited a generalist feeding habit that tended to increase with growth. It is indispensable to adequately manage the environmental conditions in the lower reach of the Kawauchi River, especially Lake Uchiumi, to conserve P. altivelis ryukyuensis population.
Article
Full-text available
We investigated biomass and taxonomic composition of protist plankton in the Yakugachi River of Amami-oshima Island during winter, to evaluate food availability for the larvae of Plecoglossus altivelis ryukyuensis. No significant difference was found for total biomass of microbial plankton community among the stations, and diatoms composed more than half of the biomass. Biomass of dinoflagellates and naked ciliates was higher at the estuary stations compared with that at the upstream station. Calculating carrying capacity for the larvae egg-hatched after 5 days, biomass of dinoflagellate and naked ciliates at the estuary stations could support the respiratory requirements of more than 15×10³ animals/m³/day. These results suggest that biomasses of dinoflagellates and naked ciliates in the estuary of the Yakugachi River are enough for survival of the larvae.
Article
Full-text available
Downstream (seaward) migration of Ryukyu-ayu (Plecoglossus altivelis ryukyuensis) larvae after hatching was investigated in the Yakugachi River flowing into Sumiyo Bay, Amamioshima Island, southern Japan. Larvae collected near the spawning ground and in brackish water had notochord lengths of 4.5-5.9 and 4.5-24.4 mm, respectively, larval densities in the brackish water being greater. During day time, larvae were found only in the bottom layer, but at night time were also evident in the surface layer, such behavior probably acting so as to prevent the larvae from drifting away from the brackish water area.
Article
Full-text available
To clarify the hatching season and size of the Ryukyu-ayu, Plecoglossus altivelis ryukyuensis, newly-hatched larvae were collected in the Yakugachi and Kawuchi Rivers, Amami-oshima Island, between November-March in 1995, 2001 and 2002. Hatching began from mid-November when the water temperature had decreased to about 18°C. This was compared with hatching onset dates recorded for Ayu P. a. altivelis at various locations around Japan, a significant negative correlation between latitude and onset of hatching being found. This was believed due to the lowering of water temperatures being delayed in the more southern latitudes, hatching starting when water temperature had decreased to around 20°C. The notochord length of newly-hatched Ryukyu-ayu larvae increased and water temperature decreased with each month. Larger larval size provide greater resistance to low water temperatures.
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Fasting Ryukyu-ayu (Plecoglossus altivelis ryukyuensis) larvae (newlyhatched, 15-20 day old and 50 day old individuals) subjected to ranges of experimental water temperature and salinity [15-21°C (2 or 3 steps) and 0-30 psu (3 or 4 steps), respectively] showed greatest survival rates in water temperatures of 15-18°C and salinity of 5-15 psu. Such water temperature and salinity ranges paralleled those of brackish water in the Yakugachi River during the early life stages of Ryukyuayu, and supported a field investigation which indicated that Ryukyuayu larvae occurred mainly in brackish water. The experimental result is probably illustrates the limits of osmoregulatory adjustment in larvae of this species.
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To clarify the early life period distribution and migration pattern of Ryukyu-ayu (Plecoglossus altivelis ryukyuensis), investigations were conducted around Sumiyo and Yakeuchi Bays, Amami-oshima Island, southern Japan, from November-2001 to May-2002. Larvae and juveniles (from ca. 10 mm SL; 10 day-old) were present in brackish water inlets and near coastal shorelines, their persistence and frequency in brackish waters being longer and greater, respectively, than in seawater areas (recorded for only a few days in latter). Therefore, it was concluded that brackish waters were more important as nursery grounds for larvae and juveniles of Ryukyu-ayu than seawater areas.
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Water velocity preference of ayu Plecoglossus altiveris altivelis was studied using a stream tank. Ayu preferred the velocity of 43.4 ± 9.2 cm/s (mean ± SD) at growing season in summer and 33.2 ± 9.5 cm/s at just before spawning season in fall. The former velocity approximates to the water velocities measured at grazing scar of ayu on cobble (41.9 ± 14.5 cm/s) in growing season and the latter velocity at spawning bed of ayu (26.7 ± 9.1 cm/s), respectively. These results indicate that ayu prefer the water velocity of rapid riffle in growing season, and prefer that of flat riffle mainly in autumn. And this down of preferred velocity and habitat change occur for spawning success.
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A new subspecies of the ayu, Plecoglossus altivelis ryukyuensis, is described on the basis of specimens from Amami-oshima and Okinawa Islands, the Ryukyu Islands, Japan. This new subspecies is distinguished from P. altivelis altivelis by the fewer numbers of pectoral fin rays, longitudinal scales and scales above and below the lateral line, and also by the unique electrophoretic mobilities of several enzymes.
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Catches of marine juvenile ayu Plecoglossus altivelis altivelis in the coastal waters of Kui Channel, Wakayama Prefecture, fluctuate widely. Environmental factors for the catches in the past years have been examined by the multiple regression analysis. The variable selection according to the Akaike Information Criterion (AIC) showed that the annual catches of the Juveniles are explained by the quantity of down-wept larvae in the last year in the Hidaka River (X1), the catch of clupeoid Juveniles by the fishery from last October to last January (X2), the wet weight of plankton biomass in last December (X3), and the amount of precipitation in last October (X4) . The following equation is proposed to obtain the forcast of catch (Y) based on these factors: Y=2.898+0.321X1-0.022X2+5.970X3+0.016X4 (R²=6.837) .
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From 1993 to 1996, we investigated the population ecology of ayu, Plecoglossus altivelis, in the Sagami River running through the central Kanagawa Prefecture, laying emphasis on thier anadoromous migration. Generally, peak migration occurred in April, and the movement of anadromous population during the season seemed to be related to the phases of the moon. Nearly every year, the dominant migratory activity was observed corresponding to the half moon i.e. the first or the last quarter of the moon. Another interesting result was an apparent correlation (γ=0.824) between catches of marine-life juveniles and anadromous population size in the same year. A higher correlation (γ=0.971) was obtained except the years with poor water inflow (less than 10 t/s in average) during the months from February to April. It also suggests a strong relationship between anadromous activity and water inflow of the Sagami River. Regarding catadromous population, the size of this larval population during a given year could be correlative to both the catches of marine-life juveniles (γ≥0.651) and anadromous population size (γ=0.668) in the next year, even if no high correlation was indicated (p≤0.1) .
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Habitat preference of ayu Plecoglossus altivelis was examined using four replicate artificial streams each with areas of even and uneven streambed. Ayu were introduced into each stream by increasing the number of fish cumulatively from 5 to 40 individuals. When 5, 10, 20 and 30 fish were released, the number of fish was greater in the area with an uneven streambed, whereas the difference was not significant when the streams were stocked with 40 fish. These results indicate that ayu use uneven streambed habitats preferentially and thus river modification leading to even streambeds results in a degradation of habitat quality for ayu.