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心理的プレッシャー下におけるゴルフパッティング:症状と対処に関する実験研究 (Golf putting under psychological pressure: Review of experimental studies of symptoms and prevention)

Authors:

Figures

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1
福井大学教育地域科学部
910
8507
福井県福井市文京
3
9
1
連絡先 田中美吏
Faculty of Education and Regional Studies, University of
Fukui
3
9
1 Bunkyo, Fukui, Fukui 910
8507
Corresponding author tnk
u-fukui.ac.jp
1
体育学研究
59
1
15
2014
総説
心理的プレッシャー下におけるゴルフパッティング
症状と対処に関する実験研究
田中 美吏
Yoshifumi Tanaka: Golf putting under psychological pressure: Review of experimental studies of sym-
ptoms and prevention. Japan J. Phys. Educ. Hlth. Sport Sci. 59: 1
15, June, 2014
Abstract
It is known that many athletes competing in various sports are likely to experience impaired
motor performance under psychological pressure. Numerous studies have been conducted to clarify and
overcome this problem, which impacts on various motor skills, and a variety of results have been report-
ed. In this review, in order to exclude the in‰uence of task-speciˆc diŠerences on interpretation of the
results, experimental studies of the golf-putting task, which has been most widely used in previous stu-
dies of motor behavior under pressure, published between 1992 and 2013 were systematically reviewed
by categorizing them into the following research paradigms:
(
1
)
Explanations of reduced performance
under pressure in terms of attentional foci and attentional capacity, including the conscious processing
hypothesis and distraction hypothesis.
(
2
)
Studies of psychological, physiological, and behavioral sym-
ptoms manifested under pressure, especially studies of cognitive and emotional processes in the psycho-
logical domain, arousal in the physiological domain, and performance outcome, kinematics, force control,
and eye movement in the behavioral domain.
(
3
)
Studies investigating methods for preventing pressure-
related performance loss, such as those involving quiet eye training for optimal eye movement, and
manipulation of attentional focusing to prevent an increased internal focus of attention under pressure. It
is suggested that the theoretical background developed in this review would be useful for gaining scien-
tiˆc knowledge about sports performance under psychological pressure from a wide range of perspec-
tives on motor behavior.
Key words
choking, stress, attention, arousal, motor behavior
キーワードあがり,ストレス,注意,覚醒,運動行動
 はじめに
心理的プレッシャーによる運動パフォーマンス
の阻害はあらゆるスポーツ種目の選手が抱える悩
みであり,この問題の科学的理解を図り,それを
基に適切な対処法を提案することを目的に,国内
外で多大な研究がこれまでに行われてきた.これ
らの研究では無限にある運動スキルの中から多種
多様な種類のスキルが取り扱われているため,運
動スキルの種類が異なれば得られる結果も異なる
というケースも存在し,様々な結果が散見して
る.例えば
Kinrade et al.
(
2010
)は,同一実験内
において運動スキルの種類以外の実験方法は統
した中で,ペグボード課題やトランプカードの
配課題においては課題遂行時間の増加によるパ
ォーマンスの低下がプレッシャーの影響で生じ
一方,ゴルフパッティング課題においてはプレ
シャー下においてもパフォーマンスの指標であ
正確性が維持されることを示した.その他の研
間においても,実験参加者のスキルレベル,プ
ッシャーを負荷するために用いたストレッサー
22
田中
種類,ならびに評価指標などの研究方法が多様で
あり,これらの条件の相違も結果の散見性を生み
出す要因と言える.本論文では,これまでの研究
における散見的な結果の解釈に対して課題特性の
違いの影響を考慮する必要がない中で,プレッシ
ャー下における運動行動を幅広い観点から体系的
に可視化する.そのためには,ある
1
つの特定
の運動課題に検索を絞ることが必要となる.
そこで,英語文献に関しては「
Discovery
Service
,日本語文献に関しては「
CiNii
」の検
索エンジンを利用し,タイトルやアブストラクト
に「プレッシャー(
pressure
「ストレス
stress
「不安
anxiety
「あがり
choking
のキーワードのいずれかを含む学術論文を運動ス
キルの種類別に調べると,ゴルフパッティングを
使用した実験研究が
30
編と最も多い.それに次
ぐのがバスケットボールのフリースローの
17
であり,さらに続くのが射撃の
13
編である.本
論文において
1
つの運動課題を取り上げるに当
たり,これまでの研究の中から最も報告数の多い
ゴルフパッティングを用いた研究を取り扱うこと
で,プレッシャー下における運動行動に関して最
も幅広い観点からの総説が可能になる.検索を基
に抽出された
30
編とともに,検索には引っ掛か
らなかったものの,
30
編の論文内において引用
されている他の
5
編の論文を加え,本総説では
プレッシャー下でのゴルフパッティングに関する
35
編の論文を用いる.
このように多くの研究でゴルフパッティングが
課題として用いられる理由には,狭い空間におい
て様々な指標の測定が可能であり,実験的に取り
扱いやすい課題であることに加え,ゴルフの実践
場面においてもプレッシャーによるパフォーマン
スの阻害が主要な問題になることが挙げられる.
ゴルフは主にショット,アプローチ,パッティン
グの
3
つの技能で構成され,目標とするスコア
の実現に対して
3
つのすべてが重要となる.そ
のなかでもパッティングは,
``Putt is money''
(パット・イズ・マネー)という諺もあるように,
とりわけプロやトップアマチュアといった競技レ
ベルの高い選手ほど,その重要性が高まる.これ
らの選手は,高額な賞金,優勝の名誉,シード
の獲得などの心理的な負荷が高いなかで,クラ
チ・パットと呼ばれる試合局面に応じた重要な
ットを的確に決めることが求められる.しかし
がら,プレッシャーの影響で重要なパットを外
し,期待する結果に繋がらないケースも多い.
た競技志向が低いアマチュアゴルファーにおい
も,初めてのバーディーチャンスや,ベストス
アがかかった場面に代表されるように,プレッ
ャーが高まったなかでパッティングを遂行する
面は頻繁に訪れる.つまり,多くのゴルファー
プレッシャーのなかでパッティングを成功させ
ことを望むが,期待に反してミスをするケース
多く,この現象はゴルファー共通の悩みと言える.
この問題に対し,賞金,罰,他者評価などの方
法を用いて実験室環境において疑似的にプレッ
ャーを負荷し,その中でパッティング課題を実
させ,プレッシャーとパッティング技能の関係
調べる実験研究が
1990
年代から現在に至るまで
数多く行われてきた.先述の通り,論文数は国
外を通じて
35
編に及び,未経験者から全実験参
加者の平均ハンディキャップが
2.74
というローハ
ンディキャップのアマチュアゴルファー(
Vine
et al., 2011
,さらにはプロゴルファー(
Tanaka
and Sekiya, 2010a
)までの幅広い技能レベルを対
象に実験が行われている.このようにプレッシ
ャー下におけるパッティングについて多くの研
が行われてはいるものの,パッティング課題に
定した場合でも各研究において様々な結果が散
的に報告されており,これらの全てを体系的に
解することが困難であるという問題を有してい
る.そこで本論文では,これらの研究を時代の
遷に対応した形式で,◯
注意焦点や注意容量とい
った観点からプレッシャー下でのパッティング
フォーマンスの低下を説明する研究,◯
プレッシ
ャー下でのパッティングにおいて心理面,生理
面,行動面に生じる症状を報告する研究,◯
プレ
ッシャー下でのパッティングのミスを防ぐため
対処法を実証した研究の
3
つに区分する.これ
までの研究における散見的な結果を
3
つの研究
パラダイムに体系的にまとめることを目的に,
33
プレッシャー下におけるゴルフパッティング
レッシャー下におけるゴルフパッティングをテー
マとした実験研究を総説する.なお
Table 1
の一
覧表には,本総説で使用した
35
編の論文を出版
年の古い順に並べ,各論文における実験参加者の
スキルレベル,ストレッサーの種類,主要な従属
変数,プレッシャー下でのパッティングの正確性
の変化,ならびに上記の
3
つのパラダイムのい
ずれに該当するかについてまとめた.
 注意とパッティングパフォーマンス
.意識的処理仮説
プレッシャーによるパフォーマンスの低下は,
身体運動に対する内的注意の増加による運動スキ
ルの脱自動化が原因であるという
Baumeister
1984
)の提唱を基に,プレッシャー下における
パッティングのミスがパッティング動作に対する
内的注意の増加によって生じることを初めて実証
したのが
Masters
1992
)である.この研究で
は,パッティング課題の練習時に,動作に対して
注意が向かないようにアルファベットを発話しな
がら練習を行う二重課題練習群,動作に対して注
意が向くようにパッティング技術の教示を受けな
がら練習を行う知識教示練習群,ならびに教示を
受けずに練習を行う統制群の
3
群が設けられ
た.そして練習後に,賞金や他者評価によるプレ
ッシャー条件でテストを行わせ,練習後期である
非プレッシャー条件からのカップイン数の増加量
に対して群間比較を行った.そして結果として,
知識教示練習群と統制群の増加量は二重課題練習
群の増加量に比べて小さく,この結果は知識教示
練習群と統制群がプレッシャー条件において二重
課題練習群と同程度のパフォーマンスの向上を実
現できなかったことを意味する.
Masters
はこの
結果を受け,プレッシャーによる運動パフォーマ
ンスの低下は内的注意の増加が原因であると説明
し,後に多くの研究で意識的処理仮説
con-
scious processing hypothesis
)と呼ばれている.
以降も現在に至るまで,パッティング課題を対
象に
10
編の論文においてこの仮説の検証が行わ
れており,
6
編の論文においてこの仮説を支持す
る結果が得られている(
Beilock and Carr, 2001;
Gucciadi and Dimmock, 2008; Hardy et al., 1996;
Lewis and Linder, 1997; Mullen and Hardy, 2000;
Mullen et al., 2007
3
編の論文では,意識的処
理仮説と以下に説明する注意散漫仮説のどちら
用いてプレッシャーによるパフォーマンスの低
が説明可能かについて判別できないことが報告
れている(
Lawrence et al., 2012; Mullen et al.,
2005; Wilson et al., 2007
.さらに
Bright and
Freedman
(
1998
)は,
Masters
1992
)における
二重課題練習群のプレッシャー下でのパフォー
ンスの向上は,練習時には行っていた発話によ
二重課題をプレッシャー条件のテストでは行わ
かったために,プレッシャー条件における認知
負荷の軽減が理由であることを実証し,
Masters
の結果を批判している.しかしながら
Bright and
Freedman
(
1998
)による結果は,練習における
試行数の少なさが理由であり,さらに多くの練
数を重ねることで
Masters
と同様な結果を得ら
れることが確認されている
Mullen et al., 2007
また,パッティング課題遂行中の脳波測定を基
に意識的処理仮説の背景にある中枢神経メカニ
ムも調べられている(
Zhu et al., 2011
.この研
究では,パッティングの練習時にパッティング
作に対して内的注意が向くように
25
150 cm
距離をランダムに練習させるエラーフル学習群
と,内的注意が向かないように
25 cm
から
150
cm
にかけて短い距離から順番に練習させるエ
ラーレス学習群の
2
群が設けられている
1
).そ
の後に同一距離でパッティングの正確性を測定
るテストを実施させ,エラーフル学習群のみ脳
a
2
帯域(
10
12 Hz
)における左側頭野(
T3
と前頭前野(
Fz
)間の共活性度の指標であるコ
ヒーレンス(
coherence
)がプレッシャーの影響
で増大することが示されている.
a
2
帯域は運動
課題に対する注意過程に関与する脳活動を反映
し,さらに
T3
Fz
は言語処理機能に関与する
脳部位であることから,プレッシャー下におけ
エラーフル学習群の内的注意の大きさがこのよ
な中枢神経活動を生じさせたと考えられる.
4
Table 1
Synopsis of 35 experimental studies on golf-putting under psychological pressure
Article Skill level Stressor Main dependent variables Changes in putting accuracy under pressure Main
paradigm
Masters
(
1992
)
Novice Reward and evaluation by others Putting accuracy, cognitive anxiety, explicit
rules, heart rate, task-completion time Increase with dual-task training
Masters et al.
(
1993
)
Novice Penalty Putting accuracy, reinvestment scale Negative correlation with reinvestment scale
Hardy et al.
(
1996
)
Novice Reward and evaluation by others Putting accuracy, cognitive anxiety, somatic
anxiety, heart rate, explicit rules,
task-compl etion time Increase with dual-task training
Lewis and Linder
(
1997
)
Novice Reward Putting accuracy Increase with conscious processing training,
increase in the distraction condition, decrease in
the control group
Bright and Freedman
(
1998
)
Novice Evaluation by others Putting accuracy, cognitive anxiety, explicit
rules Increase with dual-task training
Mullen and Hardy
(
2000
)
Golfers with handicaps of 12
18 Reward, evaluation by others, and
performance comparisons Putting accuracy, cognitive anxiety, somatic
anxiety, mental eŠort, kinematics Decrease in the conscious processing condition
,
Beilock and Carr
(
2001
)
Novice Reward Putting accuracy Increase with conscious processing training,
decrease with dual-task training and control
groups
Beiloc k et al.
(
2004
)
Golfers at least 2 years experience
or handicap
8, novice Demands f or accurate tas k
performance or tim e pressure Putting accuracy Decrease in accuracy demand condition for
experienced golfers, decrease in time pressure
condition for novice
Mullen et al.
(
2005
)
Golfers with handicaps of 14.4
±
4.4 Reward and evaluation by others Putting accuracy, cognitive anxiety, mental
eŠort, heart rate variability Decrease in distraction and conscious processing
condition
田中・関矢(
2006
)
Novice Reward and audience Putting accuracy, cognitive anxiety, heart rate,
kinematics, EMG No change
Chamberlain and Hale
(
2007
)
Golfers with handicaps of 11.8
±
1.5 Reward and audience Putting accuracy, cognitive anxiety, somatic
anxiety, conˆdence
Negative correlation with cognitive anxiety,
inverted U-shaped relationship with somatic
anxiety, positive correlation with conˆdence
Mullen et al.
(
2007
)
Novice Reward and evaluation by others Putting accuracy, cognitive anxiety, somatic
anxiety, explicit rules, heart rate Increase with dual-task training
Wilson et al.
(
2007
)
Golfers with handicaps of 14.3
±
2.8 Reward, evaluation by others, and
performance comparisons
Putting accuracy, cognitive anxiety, mental
eŠort, heart rate variability, pre-putt time,
number of glances at the target Decrease in high trait anxiety group
Bordieri et al.
(
2008
)
Novice Reward or penalty Putting accuracy Decrease
Gucciadi and Dimmock
(
2008
)
Golfers with handicaps of 6.4
±
2.8 Reward Putting accuracy, cognitive anxiety, somatic
anxiety, attentional foci Decrease in the conscious processing condition
Murray and Raedeke
(
2008
)
Novice Reward and audience Putting accuracy, cognitive anxiety, somatic
anxiety, heart rate variability Decrease, Negative correlation with cognitive
anxiety and somatic anxiety
Cooke et al.
(
2010
)
Novice Reward,penalty,andperformance
compari sons
Putting accuracy, cognitive anxiety, somatic
anxiety, mental eŠort, heart rate, heart rate
variability, kinematics, EMG Decrease
Kinrade et al.
(
2010
)
Novice Audience and video camera Putting accuracy, cognitive anxiety, somatic
anxiety, reinvestment scale Negative correlation w ith reinvestment scale
Mullen and Hardy
(
2010
)
Novice Reward, penalty, and evaluation by
others Putting accuracy, cognitive anxiety Increase with holistic instructions about
movement
4
田中
5
Table 1
(
Continued
)
Article Skill level Stressor Main dependent variables Changes in putting accuracy under pressure Main
paradigm
Tanaka and Sekiya
(
2010a
)
Professional golfers, novice Reward and audience Putting accuracy, cognitive anxiety, heart rate,
kinematics No change
Tanaka and Sekiya
(
2010b
)
Novice Reward and penalty Putting accuracy, cognitive anxiety, positive and
negative aŠect, attentional foci, heart rate,
kinematics, EMG Negative correlation with conscious processing
Vine and Wilson
(
2010
)
Novice Reward and evaluation by others Putting accuracy, cognitive anxiety, somatic
anxiety, conˆdence, kinematics, quiet eye
duration Decrease in the control group
Cooke et al.
(
2011
)
Golfers with handicaps of 7.8
±
3.0 Reward, performance com parisons,
and video ca mera
Putting accuracy, cognitive anxiety, mental
eŠort, heart rate, heart rate variability,
kinematics, EMG, grip force Increase
長谷川ほか(
2011
)
Golfers with best score of 72.5
±
6.0 Reward, penalty, audience, video
camera, and evaluation by ot hers Putting accuracy, cognitive anxiety, heart rate,
kinematics Decrease with increased cognitive anxiety and
heart rate
Tanaka and Sekiya
(
2011
)
Novice Reward and penalty Putting accuracy, cognitive anxiety, positive and
negative aŠect, attentional foci, heart rate,
kinematics, grip force Negative correlation with conscious processing
Vine et al.
(
2011
)
Golfers with handicaps of 2.8
±
2.2 Reward and evaluation by others Putting accuracy, cognitive anxiety, somatic
anxiety, conˆdence, quiet eye duration Increase wi th quiet eye train ing
Zhu et al.
(
2011
)
Novice Video camera and evaluation by
others Putting accuracy, cognitive anxiety, explicit
rules, heart rate, EEG No change
Land and Tenenbaum
(
2012
)
Golfers with handicaps of 2.1
±
2.7,
novice Video camera, evaluation by others,
and performance comparisons Putting accuracy, cognitive anxiety, kinematics Decrease in an expert control group
Lawrence et al.
(
2012
)
Novice Reward and evaluation by others Putting accuracy, cognitive anxiety, explicit
rules, heart rate, kinematics Increase with external focus of attention training
,
McEwan et al.
(
2012
)
Novice Reward and competition with co-wor-
kers Putting accuracy Increase with pressure evoked training
Moore et al.
(
2012
)
Novice Reward and performance
compari sons Putting accuracy, cognitive anxiety, heart rate,
kinematics, quiet eye duration Decrease with technical training
Balk et al.
(
2013
)
Golfers with handicaps of
14.5
±
10.4 Reward, penalty, and video camera Putting accuracy, cognitive anxiety, somatic
anxiety, heart rate I ncrease with dual-task training, decrease in the
control group
,
Hasegawa et al.
(
2013
)
Golfers with handicaps of 5.7
±
2.8 Reward, penalty, and audience Putting accuracy, cognitive anxiety, heart rate,
kinematics Decrease with increased cognitive anxiety and
heart rate
Kaiseler et al.
(
2013
)
Novice Reward,penalty,funnyputter,and
performance comparisons
Putting accuracy, cognitive anxiety, somatic
anxiety, heart rate, task-completion time,
stressor type, coping strategy Decrease
Moore et al.
(
2013
)
Novice Reward and evaluation by others Putting accuracy, cognitive anxiety, cognitive
appraisal for challenge and threat, quiet eye
duration
Increase with quiet eye training, decrease in the
control group
These numbers indicate the mostly cited section in this review article.
5
プレッシャー下におけるゴルフパッティング
66
田中
.注意散漫仮説
Norman and Bobrow
(
1975
)によれば,処理資
源とは認知活動に関わる注意,努力,および思考
などの心的な機能の総体を指し,この処理資源に
は一定の容量があり(
Kahneman, 1973
,その
容量内で種々の処理に処理資源を配分しながら運
動課題は遂行される.上述の意識的処理仮説で
は,この注意容量の範囲内で動作に注意を向ける
ことでパフォーマンスの低下が生じると説明され
ているが,この仮説とは対称的にプレッシャー下
で運動課題を行うときに,自己評価や自己非難,
さらには自律神経系の活動亢進の知覚(身体不安)
などに処理資源が配分されて,課題遂行に対して
必要な注意が処理資源の容量内に不足することで
パフォーマンスが低下するという説明が注意散漫
仮説(
distraction hypothesis
)である(
Eysenck,
1979; Wine, 1971
パッティング課題において注意散漫仮説を支持
する研究は
2
編存在する.
Wilson et al.
(
2007
)
の研究では,多くの処理資源を浪費しやすいとさ
れる高特性不安者に限定的に,プレッシャー下に
おいてパッティングの正確性が低下することが報
告されている.さらに
Mullen et al.
(
2005
)の研
究では,パッティング課題とともに音刺激の高低
を判別する二次課題を実施させて処理資源の容量
に負荷を与えた条件では,二次課題を実施しない
条件に比べてプレッシャー下においてパッティン
グの正確性が低下した.これらの結果から,プレ
ッシャー下でのパッティングパフォーマンスの低
下は意識的処理仮説のみならず,個人の性格特性
や,注意容量に対する負荷の大きさに応じて注意
散漫仮説によっても説明可能であるという見解に
至っている.
 心理面,生理面,行動面に生じる
症状
Mullen and Hardy
(
2000
)の研究において,プ
レッシャー下におけるパッティングフォームの動
作解析が行われ始めた
2000
年以降は,様々な手
法を用いて,実験室環境内のプレッシャー下にお
いて心理面,生理面,行動面に生じる症状を詳
に調べる研究が行われ始めた.現在に至るまで
10
年以上の時を経て,網羅的に多くの症状が報
告されており,以下にこれらの研究を心理面,
理面,行動面に区分してまとめる.
.心理面
実験参加者に種々の質問紙検査に回答させるこ
とで,非プレッシャー条件からプレッシャー条
にかけての心理指標の変化が報告されている.
えば競技状態不安検査(
Competitive State Anxi-
ety Inventory: Martens et al., 1990
)を用いた研
究では,認知不安と身体不安の増大,ならびに
信の減少が示されている(
e.g., Mullen and
Hardy, 2000; Mullen et al., 2005
.認知不安の増
大は,質問紙
STAI
State-Trait Anxiety Inven-
tory
肥田野ほか,
2000
Speilberger et al.,
1970
,および
VAS
(
Visual Analogue Scale:
Cella and Perry, 1986
)を用いた研究においても
同様な結果が得られている(
e.g.
,田中・関矢,
2006
Zhu et al., 2011
その他にも,
RSME
(
Rating Scale for Mental
EŠort: Zijlstra, 1993
)を用いた心的努力の増加
e.g., Mullen and Hardy, 2000; Wilson et al.,
2007
PANAS
(
Positive and Negative AŠect
Schedule
佐藤・安田,
2001
Watson et al.,
1988
)に基づく不快感情の増加(
Tanaka and
Sekiya, 2010b
,認知的評価尺度(
Cognitive Ap-
praisal Ratio: Tomaka et al., 1993
)による恐怖へ
の認知的評価の増大(
Moore et al., 2013
)が報告
されている.また,オリジナルの質問紙を基に
レッシャー下ではパッティング技術などの動作
対する内的注意が増加し,さらにはストレッサ
や不安感情といった注意を散漫にさせる因子に
しても注意が向くことが示されている(
Tanaka
and Sekiya, 2010b, 2011
.さらに,意識してい
ることを発話させながらパッティング課題を遂
させ,その発話内容の分析を基にストレスの認
的評価理論(
Lazarus and Folkman, 1984
)に準
じたストレッサーに対する一次的評価を調べた
究では,男性は女性に比べて結果をストレッサ
77
プレッシャー下におけるゴルフパッティング
と捉え,女性は男性に比べて課題の遂行をストレ
ッサーと捉えることが報告されている(
Kaiseler
et al., 2013
.生理面
複数の研究でプレッシャー条件では非プレッシ
ャー条件に比べて心拍数(
e.g., Masters, 1992;
Tanaka and Sekiya, 2010a
)や心拍変動における
LF
(
low frequency
)/
HF
(
high frequency
)
Murray and Raedeke, 2008
)が増大することが
報告されており,このことはプレッシャーの影響
で自律神経活動における交感神経の活動が亢進
し,覚醒水準が高まった中でパッティングを遂行
しなければならないことを意味する.さらに
Cooke et al.
(
2010
)は,心電図の
R
波間隔の変
動を表す指標である
SDNN
(
standard deviation
of R
Rintervals
)を算出し,最大
12
ポンドの賞金
を獲得できるプレッシャー条件ではこの値が増大
することを示している.この指標は心拍変動の周
波数解析による中周波帯域(
0.07
0.14 Hz
)と
の関連が高く(
Carrasco et al., 2001
,この帯域
の増大は心的努力の低下,ならびに血圧調整など
の交感神経活動を含む迷走神経活動の亢進に関連
している(
Mulder, 1992
Cooke et al.
(
2010
)
の研究では,プレッシャー下において心的努力の
増加が示されていることから,
SDNN
の増加は
プレッシャー下における迷走神経活動の亢進に起
因している可能性が示唆されている(
Mullen et
al., 2005
.またストレスに対する生理反応は,
主に自律神経系,内分泌系,免疫系の
3
つに表
出するが,パッティングを対象に,プレッシャー
が内分泌系や免疫系に及ぼす影響を報告した研究
は見当たらない.
.行動面
14
編の論文で,プレッシャー条件では非プ
ッシャー条件に比べてパッティングの正確性が損
なわれることが報告されている
2
).これらの研
究では,実験室内に敷かれた人工芝上において
1.2
3.6 m
の距離でのカップインや,人工芝上
に描かれた
1
点のターゲットに対して正確に
ボールを停止させるエイミング能力が求められ
おり,カップイン率の減少(
Balk et al., 2013;
Bordieri et al., 2008; Cooke et al., 2010; Kaiseler
et al., 2013; Land and Tenenbaum, 2012; Murray
and Raedeke, 2008
,ならびにカップやターゲッ
トからの絶対誤差の増大(
Beilock et al., 2004;
Beilock and Carr, 2001; Lewis and Linder, 1997;
Moore et al., 2012, 2013; Vine and Wilson, 2010;
Wilson et al., 2007
)が示されている.また長谷
川ほか(
2011
)によれば,プレッシャー条件で
はカップに届かないショートの数が増え,とく
その傾向は
1.5 m
の距離において顕著であること
が報告されている.
次に,ハイスピードカメラなどを用いて撮影さ
れたパッティングフォームのビデオ映像や,パ
ターに装着された加速度センサの動作解析を基
に,プレッシャー下でのキネマティクスの変化
調べる研究も行われている.これらの研究では
ッティング動作をバックスイング,ダウンスイ
グ,フォロースルーの
3
つの局面に分けて解析
がなされており,バックスイング期においては
ターや腕の運動変位,運動速度,運動時間の
3
変数が減少することが示されている(長谷川ほか,
2011
Hasegawa et al., 2013
田中・関矢,
2006
Tanaka and Sekiya, 2010a, 2011
.ダウン
スイング期においてはパターの運動加速度の増
を示した研究が多い(
Cooke et al, 2010, 2011;
Moore et al., 2012; Tanaka and Sekiya, 2011
フォロースルー期においてはパターや腕の運動
位,運動速度,運動時間の減少がバックスイン
期と同様に示されている(長谷川ほか,
2011
田中・関矢,
2006
Tanaka and Sekiya, 2010a,
2011
これらの研究をまとめると,非プレッシャー条
件では大きくかつ時間をかけた動作のなかでボ
ルをインパクトするが,プレッシャー条件では
さくかつ短時間の動作の中でボールをインパク
するフォームに変化すると考えられる.とくに
系列的にパッティング動作の最初の局面である
ックスイング期においてコンパクトなフォーム
変化することが,後の局面に影響し,インパク
8
Fig. 1
Phase portraits between displacement and velocity of time course for putter movement.
8
田中
速度を保つために運動加速度を増加させ,さらに
インパクト後にはブレーキをかけるようにフォ
ロースルーもコンパクトになっていると考えられ
る.
Fig. 1
には,位置(横軸)と速度(縦軸)の
時系列的変化から身体運動のダイナミクスに関す
る質的評価を行うことが可能な位相描写(
phase
portrait: Kerz and Stergion, 2004
)を基に,
Tanaka and Sekiya
(
2010a
)の研究において非プ
レッシャー条件からプレッシャー条件にかけて典
型的な動作変化を示したプロゴルファー
1
名と
未経験者
1
名のパター運動の
phase portrait
を示
した.双方においてプレッシャー条件ではバック
スイング期やフォロースルー期の運動変位が縮小
し,運動速度も遅くなっていることが読み取れ
る.しかしながら,インパクトに関しては非プレ
ッシャー条件と同じ速度が保たれており,バック
スイング動作の影響で小さくなった振幅の中で,
ダウンスイング期において加速度を増加させるこ
とでインパクト時の速度を保っていると考えられ
る.さらに,パッティング技能に優れ,試合場面
における高強度のプレッシャー下でパッティング
を行うことに慣れているプロゴルファーにおいて
も,実験室環境の低強度のプレッシャーによって
未経験者と同様な動作変化が生じたことが分かる
また
Hasegawa et al.
(
2013
)によれば,プレッ
シャー下におけるインパクト時のパターの運動
度の減少や,ダウンスイング期からフォロース
ルー期内でのパターの最大速度の出現タイミン
の早期化が
1.25 m
という短い距離のパッティン
グ課題において限定的に生じることが報告され
いる.この結果は,距離という課題特性の相違
伴って,異なるキネマティックな変化がプレッ
ャー下で生じることを示唆している.その他の
究では,上述したようにパッティング動作の運
時間はプレッシャー下で減少する反面,プレッ
ャー条件でのアドレス時間(
Wilson et al.,
2007
,ならびに
20
試行(
Kaiseler et al., 2013
もしくは
100
試行(
Masters, 1992
)のパッティ
ング課題を終えるまでに要した総時間は増加す
ことが報告されている.パッティング動作を開
するまでの準備に要する時間はプレッシャーの
響で増加すると考えられる.
このような動作変化を導く筋活動や力量調節に
関しては,
6
編の論文で前腕や上腕の筋電図を記
録することや,グリップ把持力を測ることを基
評価がなされている.プレッシャー条件におい
これらの変数に変化が生じたことを報告する研
は,ダウンスイング期において前腕の主動筋の
割を果たす左橈側手根伸筋(
extensor carpi
radialis
)の筋放電量の増加を示した
1
編のみで
99
プレッシャー下におけるゴルフパッティング
ある(
Cooke et al., 2010
.さらに近年の研究で
は,アイカメラを用いることでパッティング課題
を行う際の視線行動も調べられている.例えば,
バックスイング動作を開始する直前において注視
点が
1
°の範囲内に
120 ms
以上固定される時間に
よって定義される
quiet eye duration
2
3
設けることがパッティングの正確性の向上に繋が
るが(
Moore et al., 2013; Vine et al., 2011
,プ
レッシャー下ではこの
quiet eye duration
が短縮
することが示されている(
Vine et al., 2011; Vine
and Wilson, 2010
.さらにプレッシャー下で
は,アドレス時にカップを見る回数が増加するこ
とも報告されている(
Wilson et al., 2007
.諸変数間の関係性
以上ではプレッシャー下における心理面,生理
面,行動面の変化を報告している研究を,それぞ
れ独立的にまとめたが,これらの研究の一部では
回帰分析などを基に諸変数間の関係性も検討され
ている.プレッシャー下でのパッティングパフ
ォーマンスの低下に関連した要因として田中・関
矢(
2006
)は,プレッシャー下でパッティング
の正確性を低下させた実験参加者において限定的
に,バックスイング期のクラブにおける運動変位
の変動性の増加,ダウンスイング期のクラブにお
ける運動速度の増加,ダウンスイング期の右手関
節における角変位の変動性の増加が生じることを
示した.とくに,これらの実験参加者においては
ボールの停止位置の変動性が増大するというエ
ラーが生じた.その他にも,認知不安や身体不安
の増加(
Chamberlain and Hale, 2007; Murray
and Raedeke, 2008
,自信の減少(
Chamberlain
and Hale, 2007
,思考の反復や公的及び私的自
己意識の特性的度合を測定する質問紙である再確
認尺度(
Reinvestment Scale
)の得点の高さ
Kinrade et al., 2010; Masters et al., 1993
,パッ
ティング動作に対する内的注意の増加(
Tanaka
and Sekiya, 2010b, 2011
)といった感情や注意に
関する心理指標や,交感神経活動の指標である心
拍変動における
LF
/
HF
比の増加が(
Murray
and Raedeke, 2008
,プレッシャー下でのパッテ
ィングの正確性の低下に関連する要因として報
されている.さらに
Tanaka and Sekiya
(
2011
)
は,プレッシャー下においてパッティング動作
対する内的注意が増加した実験参加者ほどバッ
スイング期のクラブにおける運動時間の変動性
ならびにダウンスイング期の肘における運動速
の変動性が増大することを示した.また
Lawrence et al.
(
2012
)は,パッティングの練習
時に腕の動作に対して注意焦点を向ける内的注
練習群は外的注意練習群や統制群に比べて,プ
ッシャー下でのテストにおいてバックスイング
のパターの運動変位の変動性が大きいことを報
している.これらの複数の研究をまとめると,
レッシャー下において内的注意が増加するほど
パッティング動作における試行間の変動性が増
し,結果としてパッティングされたボールの停
位置の変動性も高まることでミスが増えるとい
モデルが成り立つ.つまりこのモデルは,先述
た意識的処理仮説における内的注意の増加とパ
ォーマンスの低下の間に介在するキネマティッ
な要因を示唆している.
また
Tanaka and Sekiya
(
2011
)は,プレッシ
ャー下においてストレッサーや不安感情といっ
注意散漫を導く因子に注意が向くほど,バック
イング期のクラブにおける運動速度の減少や,
ォロースルー期のクラブや肘における運動変位
減少の度合が大きくなることも示している.注
散漫仮説を基にプレッシャー下におけるパッテ
ングパフォーマンスの低下を説明する場合,運
変位や運動速度の減少がキネマティクスの要因
して介在する可能性が示唆される.さらにプレ
シャー下において心拍数の増加が大きいほど,
ウンスイング期のクラブや肘における運動速度
Tanaka and Sekiya, 2010b
,および運動加速度
Tanaka and Sekiya, 2011
)の増加度合も大きく
なることが報告されている.これらの結果は,
述してきた注意や感情といった心理面のみなら
ず,覚醒水準の亢進による生理面の変化も,プ
ッシャー下におけるキネマティクスの変化を生
出すことを意味する.
10
Table 2
Instructions given to quiet eye trained and technical trained groups
Quiet eye trained group Technical trained group
1. Assume your stance and ensure your gaze is located
on the back of the ball. 1. Take your stance with your legs shoulder width
apart.
2. After setting up over the ball, ˆx your gaze on the
hole. 2. Set your position so that your head is diretly above
the ball looking down.
3. Make no more than three ˆxations towards the hole. 3. Keep your clubhead square to the ball.
4. Your ˆnal ˆxation should be a quiet eye on the back
of the ball. The onset of the quiet eye should occur
before the stroke begins and last for two to three
seconds.
4. Allow your arms and shoulders to remain loose.
5. Ensure you direct no gaze to the clubhead during the
putting stroke. 5. The putting action should be pendulum like, making
sure that you accelerate through the ball.
6. The quiet eye should remain on the green for 200 to
300 ms after the club contacts the ball. 6. After contact follow through but keep your head still
and facing down.
Modiˆed from Moore, L.J., Vine, S.J., Freeman, P., and Wilson, M.R.
(
2013
)
Quiet eye training promotes
challenge appraisals and aids performance under elevated anxiety. Int. J. Sport Exer. Psychol., 11: 169
183.
10
田中
 ミスを防ぐための対処法
.
Quiet eye training
2010
年以降は,プレッシャー下でのパッティ
ングのミスを防ぐための対処法を提案し,その効
果を検証することが
1
つの新しい研究パラダイ
ムとして構成され始めている.その取り掛かりと
して,プレッシャーによって視線行動における
quiet eye duration
が短縮することに着目し,パ
ッティングの練習時に適切な
quiet eye
を構築す
るトレーニングを行うことで,プレッシャー下に
おいても最適な視線行動を発揮し,それによって
ミスを防ぐことが可能か否かを検証する研究が
4
編実施されている(
Moore et al., 2012, 2013;
Vine et al., 2011; Vine and Wilson, 2010
.これ
らの研究では実験室環境におけるパッティングの
練習時に,熟練ゴルファーのパッティング課題遂
行中の視線行動のビデオを観察させ,さらには実
験参加者自身の視線行動もビデオフィードバック
することで熟練者の視線行動との違いに気づか
せ,加えて
Table 2
の左部分に示した
quiet eye
に関する
6
つのポイントを教示し,それらを意
識した中で練習を実施させている.そしてこれら
の教示を受けた
quiet eye
練習群と,
Table 2
右部分に示すパッティング技術の教示を受けた技
術練習群や,両方の教示を受けない統制群との
ッティングの正確性の群間比較が行われている
そして実験の結果,賞金や他者評価によるプレ
シャー条件において技術練習群や統制群は
quiet
eye duration
を短縮させるとともにパッティング
の正確性を低下させたが,
quiet eye
練習群は
quiet eye duration
とパッティングの正確性を維
持し(
Moore et al., 2012; Vine et al., 2011; Vine
and Wilson, 2010
,さらには正確性を向上させ
たという報告もある(
Moore et al., 2013
さらに
Vine et al.
(
2011
)の研究では,ハンデ
ィキャップの平均と標準偏差が
2.78
±
2.24
のゴル
ファーが実験に参加し,実験室におい
quiet
eye training
を実施した前後の実際のゴルフコー
スにおける
10
ラウンドの
1
ラウンド毎のパター
数と
6
10
フィート(約
180
300 cm
)のパッテ
ィングのカップイン率を記録している.
Fig. 2
示したように,
quiet eye
練習群は実際のラウン
ドにおいても
1
ラウンドにつき約
2
のパッティ
ング数を減少させ,
6
10
フィートのカップイン
率も約
5
の改善が見られる.統制群との比較
においても有意差が認められ,このような技能
ベルの高いゴルファーにおけるゴルフコースで
実際のプレーに対しても
quiet eye training
がパ
ッティング技能の改善を導くことを示している
11
Fig. 2
Means and standard errors for number of putts
per round and percentage of 6
10 feet putts
holedinpre-andpost-trainingrounds.
Modiˆed from Vine, S.J., Moore, L.J., and
Wilson, M.R.
(
2011
)
Quiet eye training
facilitates competitive putting performance in
elite golfers. Front. Psychol., 2: doi: 10.3389
/
fpsyg.2011.00008.
11
プレッシャー下におけるゴルフパッティング
.注意焦点の操作
また,研究目的こそ異なるが,上述の意識的処
理仮説や注意散漫仮説を検証した研究も,プレッ
シャー下におけるパッティングのミスを防ぐため
の対処法を提案していると考えられる.例えば,
プレッシャー下においてパッティング課題と同時
に暗算課題を行うことで内的注意が向かないよう
にした
Lewis and Linder
(
1997
)の研究では,暗
算課題を行わない統制群はプレッシャー下におい
てパッティングの正確性を低下させた一方,暗算
課題群は正確性が向上した.また
Beilock and
Carr
(
2001
)
Lewis and Linder
(
1997
)の研究
では,練習時にパッティングフォームのビデオ撮
影をされ,その映像をゴルフの専門家に評価され
るという教示を与えられた群は,教示のない統制
群に比べてプレッシャー下において正確性を向上
させている.その理由として,練習時に自己に対
して意識を向けるセルフモニタリングを高めるた
めの教示を与えたことでセルフモニタリングに慣
れが生じ,その慣れが内的注意の高まるプレッシ
ャー条件のパフォーマンスに対して正の効果を与
えたと考察されている.これらの研究をまとめる
と,プレッシャー下において内的注意の増加を防
ぐための対処法をとることがパフォーマンスの
下を防ぐことに繋がると言える.そして近年,
の方法の効果を検証する研究として,パターヘ
ドの動きに意識を向ける外的注意(
Lawrence et
al., 2012
,暗記している歌を心の中で歌いなが
らの課題遂行(
Balk et al., 2013
,発話による二
重課題(
Land and Tenenbaum, 2012
,ならびに
「スムーズ(
smooth
」などのように
1
単語でパ
ッティング動作の全体を意識させる教示
Mullen and Hardy, 2010
)といった様々な方法
を用いて内的注意の増加を防ぐことで,プレッ
ャー下でのパッティングの正確性の維持や向上
導かれることが報告されている.
.その他の対処法
プレッシャー下において生起するネガティブな
感情や覚醒水準の亢進を抑制させることも,プ
ッシャー下でのゴルフパッティングのパフォー
ンス低下を防ぐ対処法と言える.
Balk et al.
(
2013
)の研究では,生起する感情を受動的に意
識するように教示した統制群はプレッシャー下
おいて正確性を低下させた一方,ネガティブな
情の生起を防ぐためにパッティング課題をポジ
ィブな態度で取り組むように教示した群は,プ
ッシャー下において心拍数を減少させるなかで
ッティングの正確性を維持した.また
McEwan
et al.
(
2012
)は,共同作業の成績によって賞金を
獲得できるプレッシャー条件でパッティングの
習を行った群は,非プレッシャー条件で練習を
った統制群に比べて,プレッシャー下でのテス
においてパッティングのカップイン率が高いこ
を示した.つまり,パッティングの練習時にプ
ッシャーを負荷することで,プレッシャー下で
運動スキルの遂行に慣化させることも対処法と
て提案されている.
 終わりに
本論文では,
1992
年から現在に至るまでに公
表されている心理的プレッシャー下におけるゴ
フパッティングをテーマとした
35
編の実験研究
1212
田中
3
つの研究パラダイムに区分し,体系的に総
説した.ゴルフパッティング課題に限定した総説
ではあるが,本論文で体系化した内容について他
の運動スキルへの適用性を考えると,スキーシミ
ュレーター(
Wulf and Weigelt, 1997
,バスケッ
トボールのフリースロー(
Liao and Masters,
2002
,野球の打撃(
Gray, 2004
,ならびにホ
ッケーやサッカーのドリブル(
Jackson et al.,
2006
)といった運動スキルにおいても,プレッ
シャーによるパフォーマンスの低下が意識的処理
仮説によって説明可能であることが確認されてい
る.さらにゴルフパッティングにおいて示されて
いる不安や覚醒水準とパフォーマンスの関係性
は,プレッシャー下でのボール投げ(
Weinberg
and Ragan, 1978
,モトクロス(
De M ojàa and De
Moj àa, 1986
,競泳(
Burton, 1988
,射撃(
Sade
et al., 1990
,および単純反応課題(
Arent and
Landers, 2003
)においても同様であることが報
告されている.
また,プレッシャーによる
quiet eye duration
の短縮は,アーチェリー(
Behan and Wilson,
2008
,バスケットボールのフリースロー(
Wil-
son et al., 2009
,および射撃(
Causer et al.,
2011; Vickers and Williams, 2007
)においても生
じ,パフォーマンス低下への対処法としての
quiet eye training
の有効性もバスケットボール
のフリースロー(
Vine and Wilson, 2011
)とサッ
カーのペナルティーキック(
Wood and Wilson,
2011, 2012
)において確認されている.さらに,
プレッシャー条件での練習の実施によってプレッ
シャーへの慣化を図る対処法も,射撃(
e.g.,
Oudejans, 2008; Nieuwenhuys and Oudejans,
2011
)とバスケットボールのフリースロー
Oudejans and Pijpers, 2009
)においてその効果
が示されている.これらの研究を参考にすると,
本論文で体系化した内容はゴルフパッティング以
外の運動スキルに対しても適用可能なケースが多
い.したがって,ゴルファーやゴルフ指導者のみ
ならず,他のスポーツ種目の選手や指導者,なら
びに体育学分野の研究者や大学院生・学部生が心
理的プレッシャー下におけるスポーツパフォーマ
ンスを幅広い視点から体系的に知る際のツール
して本論文を利活用していただきたい.本論文
体系化した理論的背景を参考に,今後も様々な
動スキルや技能レベルを対象に,心理的プレッ
ャーとスポーツパフォーマンスの関係を調べる
究がさらに進展し,それを介して,競技場面に
いて自己の有する最適なパフォーマンスを発揮
きる選手が増えることを期待する.
1
)
Zhu et al.
(
2011
)の研究におけるエラーフル学習
群は,パッティング課題の学習の初期段階でエ
ラーが多くなるため,エラーを減らすために動作
を修正しようとする意識が機能することで,動作
に対して内的注意が向くと考えられている.一方
のエラーレス学習群は,学習の初期段階でエラー
が少なく,この意識が働かないために内的注意が
向きにくいと考えられている.このような実験操
作のチェックとして
Zhu et al.
は,テスト終了後
にパッティング課題を行う際に技術に関して意識
したポイントを回想的に回答させ,エラーフル学
習群の回答数がエラーレス学習群に比べて多いこ
とを確認している.また,運動学習における文脈
干渉効果を検証する研究との関連性を考えると,
エラーフル学習群の練習条件はランダム練習条件
(高文脈干渉条件)に該当し,エラーレス学習群の
練習条件はブロック練習条件(低文脈干渉条件)
に該当する.しかしながら,保持テストやプレッ
シャーを負荷した転移テストにおいてエラーレス
学習群のパッティングの正確性はエラーフル学習
群に比べて高く,この結果はこの研究において文
脈干渉効果が生じなかったことを示している.エ
ラーレス学習による潜在的な運動学習が,低文脈
干渉練習の実施による保持テストや転移テストの
パフォーマンスへの弊害を補完したと考えられる.
2
)全実験参加者の平均値において,非プレッシ
ャー条件からプレッシャー条件にかけて有意な正
確性の低下が示されている研究を抽出した.また
注意焦点や視線行動の操作を行っている研究に関
しては,統制群や統制条件において有意な正確性
の低下が示されている研究を抽出した.
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平成
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日受理
)
Advance Publication by J-STAGE
Published online 2014
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Article
This review attempts to clarify the essence and perspective of Taiiku based on the results of analyses of general reviews in the Japan Journal of Physical Education, Health and Sport Sciences. The review comprises 5 parts: (1) an introduction, (2) a discourse on methodology, (3) general reviews in the journal from a humanities perspective, (4) analysis from a social sciences standpoint, and (5) examination from a medical-natural sciences viewpoint, followed by concluding remarks. The analysis suggests that Taiiku designates all bodily movement contributing to a corporeal and social base for human well-being, providing a foundation for more enlightened discussion on the essence and expansion of Taiiku and well-being.
Article
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The aim of this paper was to examine heart rate variability as a viable indicator of pre-competitive arousal. Participants engaged in a golf putting task alone in the control condition and in front of an audience in the experimental condition designed to induce arousal and anxiety. Heart rate variability, cognitive anxiety, somatic anxiety, and self-confidence were recorded immediately prior to performance in both conditions. Results demonstrated an increase in normalized low frequency band, a decrease in normalized high frequency band within the HRVcomponent and a decrease in standard deviation of normal, to normal beats, as well as a corresponding increase in cognitive and somatic anxiety between the control and experimental conditions. Findings provide support for the use of HRV as a viable and convenient arousal measure.
Article
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Article
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This study examined the effect of anxiety states on the relationship between golf-putting distance and performance in an environment requiring high movement accuracy. Twenty-three amateur golfers attempted 15 putts at each of three putting distances, 1.25, 1.50, and 1.75m, under conditions characterized by both control demands and pressure. All attempts were recorded, and kinematic features were analyzed. Under conditions involving an audience and a monetary reward, the mean score on the State-Trait Anxiety Inventory Y-1 and the mean heart rate increased by 14 points and 11bpm, respectively. We grouped participants on an a posteriori basis using the median split. The backswing of high-anxiety performers shortened, the downswing speed declined, and the relative time to peak club-head velocity changed when putting under pressure from 1.25m. In contrast, no change in backswing or relative time to peak velocity was observed in low-anxiety performers, although impact velocity increased under this condition. These results indicate that the degree to which both low- and high-anxiety golfers were anxious about failure affected motor control at the 1.25-m distance, suggesting that a distortion in perceived distance may result from the interaction between putting distance and anxiety related to failure during golf putting.
Article
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Performing under high pressure is an emotional experience. Hence, the use of emotion regulation strategies may prove to be highly effective in preventing choking under pressure. Using a golf putting task, we investigated the role of arousal on declined sport performance under pressure (pilot study) and the effectiveness of emotion regulation strategies in alleviating choking under pressure (main study). The pilot study showed that pressure resulted in decreased performance and this effect was partially mediated by increased arousal. The main study, a field study, showed that whereas the choking effect was observed in the control condition, reappraisal and, particularly, distraction were effective emotion regulation strategies in helping people to cope instead of choke under pressure. These findings suggest that interventions that aim to prevent choking under pressure could benefit from including emotion regulation strategies.
Article
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The present study examined a new golf-specific secondary task to prevent choking under pressure during golf putting. The study examined skilled (n = 20) and novice (n = 24) golfers on a putting task under high- and low-pressure, while carrying out either a golf-specific or an irrelevant letter generation secondary task to prevent skill-focused attention. Results revealed that both secondary tasks prevented choking under pressure in skilled golfers, but not in novices. Additionally, skilled participants displayed increased movement variability associated with improved performance during secondary task performance. These findings provide support for the viability of the new secondary task technique.
Article
The aim of this study was to examine the conscious processing hypothesis as an explanation of the anxiety/performance relationship. The study was designed to identify conscious processing performance effects while controlling for an alternative attentional threshold explanation identified in previous research. Participants completed 60 golf putts. They completed 3 blocks of 10 putts in single task, task-relevant shadowing, and task-irrelevant tone-counting conditions. Each set of 3 × 10 putts was completed in low and high anxiety conditions. Anxiety was elevated using an instructional set. Self-reported effort and spectral analysis of heart rate variability were used to examine the patterning of effort across the different putting conditions. Findings indicated that performance was impaired in the high anxiety shadowing and tone-counting conditions, supporting an attentional threshold interpretation. Spectral analysis of heart rate variability indicated that potential compensatory increases in spectral power in the high frequency band associated with dual-task putting in the low anxiety condition were absent in the high anxiety tone-counting and shadowing putting conditions, partially reflecting the performance findings. No effects were found for self-reported effort. Taken together, the performance and heart rate variability results support an attentional interpretation of the anxiety/motor performance relationship.
Article
Although it has often been implied that self-focused attention plays a mediating role in performance degradation under stress, the assumption that stress will evoke self-focus has received limited empirical support. Two studies were carried out to explore this relationship. The first study, using a time-to-event paradigm, showed that a higher level of self-focused attention accompanied increased anxiety levels in the buildup to competition. In the second study, basketball novices who were instructed to focus on the mechanics of the ball-shooting process during practice suffered a significant performance decrement in a subsequent stressful test phase, whereas those who were required only to do their best during practice showed no degradation in performance. It was concluded that self-focused attention may increase in response to psychological stress, and that the negative effect of self-focused attention on performance under stress is likely to be magnified by learning the skill under a high degree of self-focused attention, which can result in an overawareness of the performance process.
Article
Primary objective: In order to corroborate the reported performance advantage of Poincar´eplot indexes as autonomic activity markers, the correlation among these indexes and those computed from the time and frequency domains were obtained. Methods and procedures: Starting from the RR series derived from the ECG of 21 healthy volunteers during five manoeuvres, longitudinal (L), transverse (T) axis, and autocorrelation (r) from Poincar´eplots, rMSSD and standard deviation (SD) in the temporal domain, and frequency domain indexes were computed. Main outcomes and results: Poincar´e plot indexes were correlated in a better way with the time indexes, rather than the spectral measures. A strong correlation (0.997) between L and SD was observed, while an underlying mathematical relationship was established for T vs rMSSD. Conclusions: Poincare plot indexes may be considered as equivalent or surrogates of the temporal ones, and they do not have a better performance as autonomic markers.
Article
The purpose of the current study was to determine if athletic performance in a high-pressure situation is improved by briefly warming up under high-pressure conditions. Participants first completed a warm up round of golf putting (five shots) under low, moderate, or high pressure. Following a short break, participants completed a single putt under high pressure. Participants who completed the warm up under high pressure performed significantly better on the subsequent high-pressure shot than those who warmed up under low pressure. Warming up under pressure may be an effective means of improving performance in an impending high-pressure situation.