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Geology and petrography of the Abukuma granites in the Hiyama district, Fukushima Prefecture, NE Japan

Authors:

Abstract and Figures

Intermediate to felsic granitic rocks and gabbroic rocks are complexly distributed in the Hiyama district in the Abukuma granitic terrain, Fukushima Prefecture, NE Japan. The granitic rocks have been divided into older and younger types on the basis of petrographical and geological features. The older type is composed of foliated granodiorite to tonalite with euhedral to subhedral hornblende. In contrast, the younger type comprises massive granodiorite to granite with coarse-grained K-feldspar or minor muscovite. In this area, the older type is represented by Nagaya, Shikayama, and Ishimori bodies, and the younger type comprises Furumichi, Miharu, Katsurao, Gojyunin-yama, and Hatsumori bodies. The gabbroic rocks occur as small roof pendants within the granitic rocks. The plutonic bodies have different compositional trends each other on variation diagrams. The magnetic susceptibility of the granitic rocks generally corresponds to ilmenite-series granites.On the basis of trace elements compositions, we examined the petrogenesis of Nagaya,Shikayama, Katsurao, and Gojyunin-yama bodies. The granitic magmas of Nagaya and Shikayama bodies are explained to have been formed by melting of a basaltic rock under the pressure of <1GPa with high fH2O condition. On the other hand, Katsurao and Gojyunin-yama bodies have two possibilities for petrogenesis. One possibility is that the granitic magmas derived from melting of a basaltic rock under the pressure of <1GPa with low fH2O condition, another one is that the magmas were significantly controlled by fractionation of plagioclase.
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福島県日山周辺の阿武隈花崗岩類の地質岩石記載(亀井ほか)
395−
地質調査研究報告 , 第 54 巻,第 11/12 号 , p. 395 - 409, 2003
福島県安達郡日山周辺に分布する阿武隈花崗岩類の地質岩石記載
亀井淳志1
高木哲一1
久保和也2
Atsushi Kamei, Tetsuichi Takagi and Kazuya Kubo (2003) Geology and petrography of the Abukuma
granites in the Hiyama district, Fukushima Prefecture, NE Japan
Bull. Geol. Surv. Japan
, vol. 54(11/
12), p.395 - 409, 10 figs., 2 appendix tables.
Abstract: Intermediate to felsic granitic rocks and gabbroic rocks are complexly distributed in the
Hiyama district in the Abukuma granitic terrain, Fukushima Prefecture, NE Japan. The granitic rocks
have been divided into older and younger types on the basis of petrographical and geological features.
The older type is composed of foliated granodiorite to tonalite with euhedral to subhedral hornblende.
In contrast, the younger type comprises massive granodiorite to granite with coarse-grained K-feld-
spar or minor muscovite. In this area, the older type is represented by Nagaya, Shikayama, and Ishimori
bodies, and the younger type comprises Furumichi, Miharu, Katsurao, Gojyunin-yama, and Hatsumori
bodies. The gabbroic rocks occur as small roof pendants within the granitic rocks. The plutonic
bodies have different compositional trends each other on variation diagrams. The magnetic suscepti-
bility of the granitic rocks generally corresponds to ilmenite-series granites.
On the basis of trace elements compositions, we examined the petrogenesis of Nagaya,
Shikayama, Katsurao, and Gojyunin-yama bodies. The granitic magmas of Nagaya and Shikayama
bodies are explained to have been formed by melting of a basaltic rock under the pressure of <1GPa
with high
f
H2O condition. On the other hand, Katsurao and Gojyunin-yama bodies have two possibili-
ties for petrogenesis. One possibility is that the granitic magmas derived from melting of a basaltic
rock under the pressure of <1GPa with low
f
H2O condition, another one is that the magmas were sig-
nificantly controlled by fractionation of plagioclase.
Keywords: granite, gabbro, Abukuma granites, Hiyama district, NE Japan
1深部地質環境研究セ(Research Center for Deep Geological Environments, GSJ)
2地球科学情報研究部門(Institute of Geoscience, GSJ)
要 旨
 福島県安達郡日山周辺には,阿武隈花崗岩類が斑れい
岩類変成岩類の小岩体を伴って広く分布している.花崗
岩類は記載的特徴と貫入時期から古期花崗岩類と新期花
崗岩類に大別される.古期花崗岩類は普通角閃石を有
面構造が発達すが,新期花崗岩類の多は有色鉱物に
乏しくカリ長石粗粒結晶や白雲母を有し塊状である.本地
域に分布する古期花崗岩類を長屋岩体鹿山岩体石森岩
体に区分し,新期花崗岩類を古道岩体三春岩体葛尾岩
体・五 十 人 山 岩 体・初森岩体に区分した.斑れい岩類は,
花崗岩類中のルーフペトとし て す る .深成岩類の
全岩組成は,組成変化図において岩体毎に異なるラス
ターを 形成する.また,岩石の帯磁率は一般にチン鉄鉱系
列の特徴を示す.
 長屋岩体鹿山岩体葛尾岩体五十人山岩体の成因
を,微量元素組成の解析に基づいて考察した.その結果,
本地域の長屋岩体鹿山岩体のマグマは, G P a
力かつ水蒸気圧が高い状況で玄武岩質岩石が融解して
発生したと説明でる.一方,尾岩体五十人山岩体の
成因についてはつの可能性が考られた.1つ は 玄武岩
質岩石が GPa以下の圧力かつ水蒸気圧が低い状況で融
解して発生したマグマから固結した可能性,もう1 つ は,
長石の分別が有効的に作用したマグマか固結した可能
性である.
1.はじめに
 阿武隈山地には白亜紀花崗岩類が超苦鉄質岩類斑れ
い岩類変成岩類堆積岩類・火 山岩類を伴って広範に分
布す(第図)例えばGorai,1944Sendo, 1958岩生
松井,1961久保,1973 Tanaka, 1977田中落合,1988
久保ほか,1990,1994)この白亜紀花崗岩類は,山地東縁
近くで 北 北 西 - 南南東に延びる畑川破砕帯を境に各々そ
特徴が異破砕帯の西方には阿武隈花崗岩類が,東方
には北 上花崗岩類に対比される花崗岩類が分布す(久
保・山 元 ,1990)また 阿 武 隈山地は,いわき-須賀川を結ぶ
ラインを 境 に 地 質 学的様相が異北側(阿武隈山地北
部)ではバソリス 状の花崗岩類が分布し,南側(阿武隈山地
南部)は花崗岩類と共に変成岩類が広範に分布す(第
1図 )
 阿武隈山地の花崗岩類についてはGorai1944)以来数
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多くの 研 究 が なされ てきたが ,その研は阿武
隈山地南部に分布す岩体のものが中心であ
り,北部の岩体に関するものは比較的少ない.
本研究では阿武隈山地北部の福島県安達郡
日山周辺(第の花崗岩類について地質図
の作成,岩石記載,帯磁率測定及び全岩化学
分析を実施し,花崗岩類の火成活動史と成因
について検討したので,その結果を報告す
2.阿武隈花崗岩類の地質概略
 阿武隈山地全域の地質は渡辺ほか(1955)
により総括され 深成岩類はその岩相と貫入関
係から先ジュラ紀の"古期"と白亜紀の"新期"
とに 区 分された 古期花崗岩類は石英閃緑岩-
花崗閃緑岩からなり面構造が顕著に発達す
が,新期花崗岩類は花崗閃緑岩-花崗岩か
比較的塊状の岩相を呈するまたこれらの
花崗岩中には変成岩類時代未詳の堆積岩
類・斑れい岩類の捕獲岩が点在する.渡辺ほ
1955)の研究以降数多く研究者にり,
深成岩類の地質学的岩石学的研究が精力的
に行われた田中,1989久保ほか,2002を参
照されたい)また,1960年代以降,代学的
な検討も盛んに行われ,古期新期の深成岩
類の多が約125∼83 Maの白亜紀に形成さ
れたとが明らかにされた(例えば 野・植
田,1965柴田田中,1987)阿武隈花崗岩類
帯磁率に関しては,一般にチン鉄鉱系列
に区分される(Ishihara, 1979,1990久保
元,1990)全岩組成では花崗岩類の大部分
が I-type花崗岩の特徴を示す(例えば,土谷ほ
か,1986)Sr同位体比初生値は0.704∼0.707
(Maruyama,1978Shibata and Ishihara,
1979柴田田中,1987藤巻ほか,1991
Tanaka
et al
.,1999)で,北上山地の花崗岩類
よりも高 い .保・山 元1990)は,畑川破砕帯
以東に分布す花崗岩類を,年代値,帯磁率,
随伴する火山岩類や母岩でる堆積岩類
成岩類の対比,金属鉱床の特徴か北上型花
崗岩類して阿武隈花崗岩類は区別した.
 本研究地域には,崗岩類が広分布し,
い岩類や変成岩類が花崗岩類中の捕獲岩
とし て 産 する.また斑岩ペグマタトな ど の 小
規模な岩脈類も存在する.花崗岩類は,普通角
閃石を含み面構造が顕著に発達する古期花崗岩類と,カリ
長石や白雲母を含み面構造が明瞭でない新期花崗岩類
に区分されるSendo1958)は,当地域に隣接する常葉地
域について古期花崗岩類を普通角閃石の定向配列で特
徴づけられるTokiwa typeと斑状の石英を有するFunehiki
typeに大別でを示したまた 久保山元1990)は,
新期花崗岩類の黒雲母花崗岩を,淡橙-淡紅色のカ長石
を含む淡紅色黒雲母花崗岩と白-淡橙色のカ長石を含む
第1図 阿 武 隈 山 地 の 地質概略図(田中,1989)
北上花崗岩の分布については久保山元(1990)による.
Fig. 1. Regional geologic map of the Abukuma mountains, NE Japan (Tanaka, 1989).
The Kitakami type granitic rocks are assigned after Kubo and Yamamoto
(1990).
福島県日山周辺の阿武隈花崗岩類の地質岩石記載(亀井ほか)
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 本研究地域には様々な岩相の深成岩類が産する.そこで
相名の頻繁なしに繁雑さを避けるため,深成
岩類に対して便宜的に岩体名をつけて区分した.
3.1 斑れい岩類
 斑れい岩類は粗-細粒の角閃石斑れい岩-黒雲母角閃石
閃緑岩かる.地質図では斑れい岩が卓越する地域と閃
緑岩が卓越する地域を分けて記した第2図 )斑れい岩は
優黒質で15 m程度の角閃石粗粒結晶が特徴的である.
一方,閃緑岩は斑れい岩に比べてやや優白質で,10 m以
下の柱状普通角閃石及び柱状斜長石が特徴的である.
崗岩中に見られる暗色包有岩は閃緑岩と類似の岩相を呈
し,閃緑岩が卓越す部分にはしばしば花崗岩類の岩脈
灰色黒雲母花崗岩に細分している一方,斑れい岩類は,
はやま
ルールペンダンとし て ,移ヶ・麓山・ 馬石山などの地形
的高所に分布す(久保村田,1994)
3.深成岩類の岩相区分と相互関係
 調査地域の地質図地質断面図を第図に示す.地質図
は調査結果をもとに南西部について亀井高木(2003)
部について久保ほか1990)び久保ほか1994)のデー
を統合したもので ある.深成岩類の貫入関係を図に示
す.本研究地域の深成岩類は,斑れい岩類,トー ナ ル岩-花
崗閃緑岩(古期花崗岩類)花崗閃緑岩-花崗岩新期花崗
岩類)の順に貫入している.
第2図 阿 武 隈山地,日山周辺の地質図.
Fig. 2. Geological map of the Hiyama district, the Abukuma mountains, NE Japan.
Bt: biotite, Ms: muscovite, Hbl: hornblende.
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確認れる
3.2 トーナル岩-花崗閃緑岩古期花崗岩類)
トー ナル岩-花崗閃緑岩は,粒弱片状角閃石黒雲母トー
ナル岩・中 粒弱片状角閃石黒雲母花崗閃緑岩中粒片状
角閃石黒雲母ーナル岩のつに区分れる粗粒弱片状
角閃石黒雲母ーナル岩は,本地域の中央部に分布する.
自形性の良い普通角閃石黒雲母を含み,しばしばこれ
が定向配列して弱い面構造を形成する.レン ズ状の暗色包
有岩が確認でる.この 特徴はSendo(1958)のTokiwa
typeに対応する.亀井高木2003)にし がい,この岩
の岩体を長屋岩体呼ぶ.長屋岩体は斑れい岩類に貫入
し,その境界付近では斑れい岩類の捕獲岩が確認でる.
 中粒弱片状角閃石黒雲母花崗閃緑岩は,本地域の西部
に分布する本岩は,紡錘状の石英を含み,普通角閃石
黒雲母の自形性が良ない.また黒雲母普通角閃石の
初生的な定向配列や岩体固結後の変形作用による面構造
が発達するこの 特徴はSendo(1958)によFunehiki type
ほぼ対応する.井・高 木(2003)にし た が い ,この岩
の岩体を鹿山岩体呼ぶ.鹿山岩体は斑れい岩類に貫入
し,両者の境界付近では斑れい岩類の捕獲岩を包有す
産状が確認でる.一方,長屋岩体に対しては貫入す
合と漸 的に移化 する場合とがる.また 貫入する場合
境界が不規則な形状をなす.したがって,長屋岩体と鹿山
岩体を形成したマグマは,ほぼ同時期に貫入した解釈さ
第3図 日 山 周 辺分布する深成岩類の貫入関係.
Fig. 3. Geological relationships of the plutonic rocks in the Hiyama
district. Bt: biotite, Ms: muscovite, Hbl: hornblende.
れる.また,一部の地域で黒雲母片岩の捕獲岩が確認でき
 中粒片状角閃石黒雲母ーナル岩は,地域北部に小
規模に分布す本岩の特徴は,黒雲母と普通角閃石の
向配列に面構造が発達すとでまた レンズ 状
暗色包有岩に富む.普通角閃石の含有量は,長屋岩体
及び鹿山岩体に比較して少ない.亀井高木2003)にし
がって,本岩体を石森岩体と呼ぶ.森岩体は斑れい岩
類・鹿山岩体に貫入する.
 これらの古 花崗 岩類の面構造は,ぼ南-北から北東
-南西の走向を有し,約20°∼50°で西は東に傾斜す
(第図)
3.3 花崗閃緑岩-花崗岩(新期花崗岩類)
 花崗閃緑岩-花崗岩は,中粒角閃石含有黒雲母花崗
緑岩粗粒淡紅色黒雲母花崗閃緑岩中粒淡紅色黒雲母
花崗岩・中 粒 灰 色黒雲母花崗岩細粒黒雲母白雲母花崗
岩のつに分される.
 中粒角閃石含有黒雲母花崗閃緑岩は,本地域の北東端
部に小規模に分布する.本岩の特徴は,塊状で,白色
はごく淡 い橙色の粗粒カ長石が散在するであ渡辺
ほか(1953)の古道型新期花崗閃緑岩に相当すら,
本論では古道岩体呼ぶ.古道岩体は斑れい岩類長屋
岩体に貫入している
 粗粒淡紅色黒雲母花崗閃緑岩は,本地域の北西端部に
小規模に分布す本岩の特徴は,塊状で淡桃色の粗粒カ
リ長 石を 含 み ,まれに少量 普通角閃石を伴であ
地域にっては弱い面構造が認めれるがある.亀井
高木(2003)にし たが い ,この 岩相の岩体を三春岩体と呼
ぶ.三春岩体は斑れい岩類長屋岩体鹿山岩体に貫入す
 中粒淡紅色黒雲母花崗岩は,本地域東部の葛尾村周辺
分布する.本岩の特徴は塊状優白質で淡桃色の粗粒
リ長 石 を 多く含 む ことで ある .このは,辺ほか1953)
の新期淡紅黒雲母花崗岩に相当す論文では葛尾
岩体と呼ぶ.久保ほか(1990)は本地域東方において,
紅色黒雲母花崗岩(本論では葛尾岩体)角閃石含有黒
雲母花崗閃緑岩本論では古道岩体)貫入するを報
告している.
 中粒灰色黒雲母花崗岩は本地域東部に分布し,五十人
山周辺でその典型的な岩相を確認でる.本岩の特徴は,
塊状で黒雲母に富み,白-淡橙色のカ長石を含むことで
る.この岩 体は 渡辺ほか1953)の新期灰色黒雲母花崗岩
相当する.本論文ではこの岩体を五十人山岩体と呼ぶ.
五十人山岩体は斑れい岩類長屋岩体葛尾岩体に貫入
する.
 細粒黒雲母白雲母花崗岩は,本地域おいて小規模な岩
脈として 散在する本岩の特徴は,塊状優白質で,細粒の
黒雲母白雲母を含むとでる.亀井高木2003)による
初森岩体の岩相酷似するら,論文ではこの岩脈
を初森岩体の一部してあつかこの岩 脈は斑れい岩
福島県日山周辺の阿武隈花崗岩類の地質岩石記載(亀井ほか)
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形結晶である.
 閃緑岩は斜長石普通角閃石単斜輝石石英で構成
れる細粒岩で,少量の黒雲母を含む.副成分鉱物はルチ
ル・アパ磁鉄鉱チタン鉄鉱黄銅鉱黄鉄鉱磁硫鉄
鉱・閃 亜 鉛 鉱である.斜長石は径0.5∼5 mの 自形-半自形
結晶で,まれに弱い累帯構造が認めれる普通角閃石は
径3∼7 の自形-半自形結晶で,緑褐色から黄褐色の多
色性を有する.単斜輝石は径0.5∼2 mの半自形結晶で,
その多くはレック 状 である黒雲母は径0.5∼2 mの半自
形結晶で,黒褐色から黄褐色の多色性を有す石英は径
1 m以下の他形結晶で,他の鉱物の粒間に認められる.
 これら斑れい岩類のち変質の進んだ部分には,斜長石
のセサイト化 ,普通角閃石黒雲母の緑泥石化が認めれる
4.2 長屋岩体
 長屋岩体は,主に粗粒弱片状角閃石黒雲母ーナル岩
からなる.モード組成はQAP図上でトー ナル岩-花崗閃緑岩
の領域にプロされ(第図)岩石は,斜長石石英
リ長 石・黒雲母普通角閃石で構成され,副成分鉱物として
アパタジルコチタン石石・チタン 鉄 鉱・磁 鉄
鉱・磁硫鉄鉱黄銅鉱を含む.斜長石は径0.5∼7 の自
形-半自形結晶で,一般に顕著な累帯構造やアルバイト式
双晶が認められる.また,汚濁帯を有するものもある.石英は
他形で径0.5∼7 m,他の鉱物の粒間を充填し 弱 い 波 動 消
光を示 す.まれに多晶化したものも認 められるカリ長 石
は径0.1∼2.5 の他形結晶で,一般に微細なパーサイ
構造を有する黒雲母は径0.1∼5 の他形-半自形結晶
で,茶褐色か淡黄色の多色性を有する.ジルンを包有
する場合は多色性ハーが認められる.普通角閃石は径
0.1∼8 の半自形-自形結晶で,緑色から淡黄色の多色
性を有し,弱い累帯構造が認められがある.まれに10
mm 以 上 に 及 ぶ 自 形 結 晶が確認される.黒雲母と普通角閃
石は互いに集斑状組織を示すがある.また,カリ長 石 と
斜長石の境界ルメトが 認 めら れ る場 合 が ある .二次
鉱物して黒雲母普通角閃石の劈開に沿い緑泥
簾石白雲母が,また 斜 長 石を 置 換して セリサイトが 認 めら
れる.
4.3 鹿山岩体
 鹿山岩体は,主に中粒弱片状角閃石黒雲母花崗閃緑岩
からなる.モード組成はQAP図上で花崗閃緑岩-ーナル岩
の領域にプロされ(第図)岩石は,斜長石石英
リ長 石・黒雲母普通角閃石で構成され,副成分鉱物として
アパタジルコ・チ タン 石・褐 簾 石・チ タン 鉄 鉱・磁硫鉄
鉱を含む.斜長石は径0.5∼5 mの自形-半自形結晶で,
著な累帯構造が認められ石英は径0.1∼8 mで 多く
結晶化している.カリ長 石 は 径 0.1∼5 mの 他 形 結晶で,
微細なパーサイト構 造 を 有し ,ポイティック に 他 の 主成分
鉱物を包有するがある.黒雲母は径0.5∼5 mの 他形結
類・長屋岩体鹿山岩体に貫入する.
4.岩石記載
 ここで は本地域において特に分布域が広い,斑れい岩
類・長屋岩体鹿山岩古道岩体葛尾岩体五十人山岩
体を構成する岩石類の顕微鏡下での特徴及びモード組
について記述する石森岩体三春岩体森岩体につい
ては,分布域が狭記載事項が亀井高木2003)と同
あるの で ,これを参照されたい.モー組成の測定は薄片に
て行い,カウント数 を 2000ポトとし た 深成岩類のモ
組成を付表に,また モード組 成から作成した石英−
石−斜長石の三角図(以下QAP図)を第図に示す.亀井
高木2003)は,本地域西方の船引周辺に分布す長屋岩
体・鹿 山 岩 体 の モ ード組成を公 ているそこ で ,これら
のデーQAP図にプロした.
4.1 斑れい岩類
 斑れい岩類は,前述のように 斑れい岩-閃緑岩で構成され
る.ここ で は 代 表 的斑れい岩と緑岩について述べる
 斑れい岩は斜長石普通角閃石黒雲母で構成れ,
量の石英を伴また副成分鉱物としてアパ・磁 鉄
鉱・黄 銅 鉱・黄 鉄 鉱・磁硫鉄鉱閃亜鉛鉱が見られる.斜長
石は径0.5∼4 mの自形-半自形結晶で,自形ののは一
般に柱状をな す.普通角閃石は径3∼7 の自形-半自形
結晶で,茶褐色から黄褐色の多色性を示す.また,斜長石
黒雲母をポイックに 包 有 す ることが あり ,このとき粒
径は15 m程 度 に 及 ぶ .黒雲母は径1 程度の半自形-他
第4図 山周辺に分布する花崗岩類のモー組成.
図における境界線はStreckeisen (1976)にる.
Fig. 4. Modal compositions for the granitic rocks in the Hiyama
district. Classification boundaries are after Streckeisen
(1976). Pl: plagioclase, Qtz: quartz, Kfs: K-feldspar, Di: di-
orite, Qd: quartz diorite, Qmd: quartz monzodiorite, Tn:
tonalite, Gd: granodiorite and Gr: granite.
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晶で,茶褐色から淡黄色の多色性を有するジルコンを包
有する場合は多色性ハローが認られ普通角閃石は
径0.1∼5 mの半自形-他形結晶で,緑色か淡黄色の多
色性を有する黒雲母の他形結晶しばしばポ
クに 包 有 する.また,カリ長 石 と 斜 長石の境界にルメ
トが 認 めら れる 場 合 があ る.二次鉱物として黒雲母普通角
閃石の劈開に沿い緑泥石緑簾石が,また 斜 長 石を 置 換し
てセサイトが 認 めら れる.脈状の方解石が発達する場合
ある.
4.4 古道岩体
 古道岩体は,主に中粒角閃石含有黒雲母花崗閃緑岩か
らなる本地域に分布すの岩体は,風化が著新鮮な
岩石を得るできなかっそこ で ,ここ で は本地域の
やや北方に分布する新鮮な岩石について述べるモード組
成はQAP図上で花崗閃緑岩-花崗岩の領域にプされ
(第図)岩石は,主に斜長石カリ長石黒雲母で
構成れ,少量の普通角閃石を伴副成分鉱物はアパ
ジルコ褐簾石チタン鉄鉱磁硫鉄鉱である.斜長
石は径0.5∼6mの 半自形結晶で,顕著な累帯構造が認
められる.石英は径0.1∼10 の他形結晶で,動消光
を示す.カリ長石は径0.2∼10 mの他形結晶で,微細な
パーサイト構 造を 有し ,ポイックに他の主成分鉱物
を包有すること が ある .黒雲母は径0.5∼3 mの半自形結
晶で,茶褐色から淡褐色の多色性を有するジルコンを包
有する場合は多色性ハローが認られ普通角閃石は
径0.5∼3 mの半自形-他形結晶で,緑色か淡黄色の多
色性を有するまた カリ石と斜長石の境界にルメ
トが 認 めら れる 場 合 があ る.二次鉱物として黒雲母角閃石
の劈開に沿い緑泥石が,また斜 石を換してセリ
が認められる.
4.5 葛尾岩体
 葛尾岩体は,に中粒淡紅色黒雲母花崗岩かなる
モード組成はQAP 図上で花崗岩の領域にプロされる(第
4図 )岩石は,斜長石石英長石黒雲母で構成さ
る.成分鉱物はアパタジルコ・チ タン 石・褐 簾 石・磁
硫鉄鉱である.斜長石は径0.5∼3 の半自形結晶で,
般に顕著な累帯構造が認められ石英は径0.2∼8
他形結晶で,波動消光を示すものが多い.カリ長 石 は径0.2
∼8 の半自形-他形結晶,及び10∼15 の自形結晶
からなる.ーサイト構 造 を 有し ,ポイック に 斜 長 石・
黒雲母石英を包有する.黒雲母は径0.2∼1 mの 他形-半
自形結晶で,淡褐色か黄色の多色性を示す.ジル
包有する場合は,その周囲に多色性ハローが認められ
る.また,カリ長石と斜長石の境界にはルメトが 認 めら
れる場合 がある.二次鉱物して黒雲母の劈開に沿い緑泥
石・緑 簾 石 が また 斜 長 石を 置換してサイ白雲母が
認められる.
4.6 五十人山岩体
 五十人山岩体は,主に中粒灰色黒雲母花崗岩かなる
モード組成はQAP図上で花崗閃緑岩-花崗岩の領域に
ロッされる(第図)岩石は,斜長石・石 英・カリ長 石・黒 雲
で構成れ,まれに普通角 石を伴う.副成分鉱物はア
パタイジルコ・チ タ ン 石・褐 簾 石・チ タ ン 鉄鉱磁硫鉄鉱
である斜長石は径0.2∼3 の半自形結晶で,顕著な累
帯構造が認められ石英は径0.2∼4 の他形結晶で,
波動消光を示すものが多い.カリ長 石 は径0.2∼4 の半
自形-他形結晶で,パーサイト構 造を 有しポイキリック
他の主成分鉱物を包有する黒雲母は径0.2∼1 mの 他 形
-半自形結晶で,淡褐色から淡黄色の多色性を有する.ジル
コンを 包有する場合は,その周囲に多色性ハローが認めら
れる.普通角閃石は径0.1∼3 mの自形-半自形結晶で,
色から淡黄色の多色性を示す. また,カリ長 石斜 長 石 の
境界にはミル メカ イトが 認 められる 場 合 がある次鉱物
して黒雲母の劈開に沿い緑泥石緑簾石が,また 斜 長 石を
置換してサイトが 認 め られる.
5.化学組成
 野外調査に採取した新鮮な岩石試料について全岩
化学分析(主成分微量成分希土類元素)を行った.
回,分析値を得た岩体は,斑れい岩類長屋岩体鹿山岩
体・葛尾岩体五十人山岩体であ古道岩体に関しては,
風化が著分析可能な試料を得ができなかった.
析はカナダActlabs社に依主成分組成はICP
(inductively coupled plasma)発光分析装置,微量成分組
成はICP質量分析装置を用いて行われた.分析結果を付
表2に 示 す .深成岩類の組成変化図を図に,N-MORB
で規格化した微量元素希土類元素のスパイダー図を第
図に示す亀井高木2003)は,地域西方(船引地域)
分布する長屋岩体鹿山岩体斑れい岩類の化学組成を公
表している.本論文の組成変化図及びスパイダー図には,
これらのデータ使用した
 組成変化図におけ斑れい岩類と花崗岩類の関係に注
目すると,TiO2
・N a 2O・P 2O5の各図において明かに異な
トレ ンドを 示 す第5図 )また,花崗岩類の各岩体につ
て相互に化学組成を比較すP2O5
・N b・Y・Z r・C s な
の各図において,それぞれが異なるトレ ンドも し くは ク ラ ス
ターを 形 成 する第5図 )各岩体の微量元素のスパイダー
図では,全ての岩体がLIL(large ion lithophile)元素及び
軽希土類元素に富む(第図)また 重希土類元素(以下
HREE)に関しては,岩体にトから 枯 渇 し た パ ター
ンまで 様 々 である(第図)
花崗岩類に対して縦軸にA /CNK(molar Al2O3/
(CaO+Na2O+K2O)横軸にSiO2をとっ た 図を 作 成し た
(第図)古期岩類の組成は,そのほとんどがメタアルミナ
スで全て I プ花崗岩の領域にプロされる.新期花崗
福島県日山周辺の阿武隈花崗岩類の地質岩石記載(亀井ほか)
401−
第5図 日 山 周 辺 に 分布する深成岩類の組成変化図.
Fig. 5. Variation diagrams showing selected major and trace elements for the plutonic rocks in the Hiyama district.
地質調査研究報告 2003 年 第 54 巻 第 11/12 号
402−
第6図 日山周辺に分布する深成岩類のスパイダー図.
鹿山岩体長屋岩体斑れい岩類に示したグー部分は船引周辺に分布する各岩体の組成範囲(亀井高木,2003)N-MORB
の値はPearce and Parkinson (1993)に
Fig. 6. N-MORB-normalized trace element spider diagrams for the plutonic rocks in the Hiyama district.
Gray patterns are the composition range of each rock mass distributed around Funehiki area (Kamei and Takagi, 2003). Normal-
ized values are cited from Pearce and Parkinson (1993).
福島県日山周辺の阿武隈花崗岩類の地質岩石記載(亀井ほか)
403−
岩は,全てパーアルミナ ス で 多く タイプ 花崗 岩 の領 域
にプロされ るが,一部に プ花崗岩の領域にプロ
されものもある.また花崗岩類の組成をPearce
et al
.
1984)の判別図にプロトす ると,全て火山弧に産する
崗岩の領域にプロされ(第図)
6.帯磁率
帯磁率の測定は,カナダExploranium社製Kappameter
KT-9型帯磁率計にて行った.測定結果を第図に示す.
成岩類の帯磁率は,岩組成のSiO2含有量の増加に伴い
減少すとが知れておこの影 響に磁鉄鉱系列と
チタ鉱系列の境界(以下,Mt/Ilm境界)変化する(例
えばIshihara, 1990)そこで ,本論文ではIshihara
et al
.
1995)にし た が い ,各岩体の磁鉄鉱系列ン鉄鉱系列
の判別を行った.また本研究における率の単位はSI
unitを用いる花崗岩の場合,100×10-6 emu/gは約3.0×
10-3 SI unitに相当す(上野,1987)
 斑れい岩類は一般30.0∼60.0×10-3 SI unitの高い値
を示すが1.0×10-3 SI unit以下の低い値を示す部分
(第図)斑れい岩類はSiO2含有量が44.3∼55.3 wt%で
あり,Mt/Ilm境界は10.0×10-3 SI unit付近なるしたがっ
て,斑れい岩類の大部分は磁鉄鉱系列に相当する.
 長屋岩体及び鹿山岩体は,それぞれ約0.2∼2.0×10-3 SI
unit及び約0.2∼1.0×10-3 SI unitの帯磁率を有する(第
図)これらの SiO 2含有量は61.3∼72.6 wt%であMt/Ilm
境界は約6.0∼2.0×10-3 SI unit付近したがって,
岩体もチン鉄鉱系列に相当する長屋岩体鹿山岩体
とを 比較すと,長屋岩体の方が鹿山岩体やや帯磁率
が高い傾向がまた 鹿山岩体の中で斑れい岩類と多
く接 する部(本地域の南西部)では,帯磁率が高なっ
いる.森岩体の帯磁率は,一般に約2.0∼10.0×10-3 SI
unitで長屋岩体鹿山岩体に比べ明らかに高い(第図)
この傾 向は 井・高 木2003)と同様 彼らによ れば 石
岩体は磁鉄鉱ン鉄鉱の両系列にまたがる帯磁率を有
する.
 一方,全ての新期花崗岩類は,約0.2∼1.0×10-3 SI unit
第7図 周辺に分布す花崗岩類のアルナ飽和指数.
図における境界線はChappell and White (1974)による.
Fig. 7. A/CNK vs. SiO2 (wt%) diagram for the granitic rocks in the
Hiyama area.
I-S boundary is after Chappell and White (1974).
第8図日山周辺に分布する花崗岩類のためのNb vs. Y及びRb
vs. Y+Nb判別図.
図における境界線はPearce
et al
. (1984)による.
Fig. 8. Nb vs. Y and Rb vs. Y+Nb discrimination diagrams for gran-
ites in the Hiyama area.
VAG: volcanic arc granites, syn-COLG: syn-collisional gran-
ites, WPG: within-plate granites, ORG: ocean-ridge gran-
ites. The boundaries are after Pearce
et al
. (1984).
地質調査研究報告 2003 年 第 54 巻 第 11/12 号
404−
で,一般0.5×10-3 SI unit以下の帯磁率を有す(第
図)全岩組成デを得ている葛尾岩体五十人山岩体
のSiO2含有量は72.2∼76.5 wt%である.したがって,Mt/
Ilm境界は約2.0∼1.0×10-3 SI unit付近る.このこと
ら,両岩体はチン鉄鉱系列に相当する亀井高木
2003)による船引地域の新期花崗岩類のSiO2含有量を見
ると66.0∼76.2 wt%でさほど の 組 成 差 はな い .した
がって,他の岩体もチン鉄鉱系列に相当すと予想れる
7.考察
 本研究地域に産す深成岩類は,斑れい岩類,古期花崗
岩類(3岩 体 )新期花崗岩類(5岩体)に区分できこの順に
貫入したと判断で(第図)このことは,これまでに 報告
されてきた本地域周辺の阿武隈花崗岩類の火成活動史
例えば久保, 1973久保ほか,1990,1994亀井高木,
2003)と矛しな
 亀井高木(2003)は,本研究地域西方(船引周辺)の花
崗岩類の成因について微量元素組成を使用した考察
行った.本論文では,この 結果を参考に本地域の花崗岩類
の成因を考察したい.彼らは ,花崗岩類に付随する斑れい
岩類を花崗岩類の起源物質して,いくつか の 平 衡 バッチ
融解モデルを検討してい(第0図 )その結果,船引周辺
鹿山岩体の微量元素組成は,玄武岩質岩石が圧力1
GPa以下かつ水蒸気圧が高い状況(残存固相は主に単
輝石角閃石磁鉄鉱チタン鉄鉱で構成れる部分融
解するモデルの結果に近似でを示したこのことか
ら亀井・高 木(2003)は,鹿山岩体の成因の説明として,
のモデルを適用している本地域の鹿山岩体の微量元素
組成は船引地域のものに近似するが,SrEuに小ラフ
が確認で(第図)このことから,斜長石(SrEuの分配
係数が高い)が残存固相に少量存在していた可能性
第9図 日 山 周 辺 に 分布する深成岩類の帯磁率.
Fig. 9. Magnetic susceptibility of the plutonic rocks in the Hiyama district.
福島県日山周辺の阿武隈花崗岩類の地質岩石記載(亀井ほか)
405−
摘でる.井・高 木2003)の鹿山岩体の成因に関する説
(圧力1 GPa以下かつ水蒸気圧が高い状況での部分融
解)に大きな変更は生じないと考えるH2Oに飽和した状
況での溶融残存固相に斜長石が存在しない)とい った極
端なモデルは適用できないかもしれない.一方,引周辺
の長屋岩体は鹿山岩体に適用したモデルの結果に比べ
HREEにしい(亀井・高 木 ,2003)このことから,この岩体
の成因についてつの可能性を指摘した.1つ は 玄武岩質
岩石の融解時の圧力がザク石の安定な1 GPa以上で
あった可能 性,もう1つ は 玄武岩質岩石が圧力1 GPa以下
かつ水蒸気圧が高い状況で融解し,その後マグマから角
閃石が効果的に分別した可能性でる.地域の長屋岩
体の微量元素組成は,船引地域のそれらに比較し て HREE
に富む(第図)このことに基づいて,上述のつの成因説
を検討してみるもし ,ザクロ石の安条件下でマグマが発
生し たならば ,初生的にHREEが取除かれているので,
ての岩石のHREEが乏しいが期待される.しかし,角閃
石の分別の影響であれば,その影響が小さい地域では
HREEが取り除かれていないが期待れる本地域の
長屋岩体のHREEは,前述のよに船引地域のものに比較
して富む傾向があ第6図 )亀井高木2003)が行った
圧力1 GPa以上のモデル計算(残存固相にザクロ石が存在
する)HREEパ(第0図 )と明らかに異なる.した
がって,グマ発生場におけるHREEの除去を前提した
ザクロ石の安条件下での玄武岩質岩石の融解説は適用
できない.このことから,長屋岩体のマグマは,玄武岩質岩
石が1 GPa以下の圧力下かつ水蒸気圧の高い状況で発生
し,角閃石の分別が効果的に働いていたと判断で
た,本地域の長屋岩体は角閃石の分別の影響が少ない地
域であとい説明が可能である.
 次に,葛尾岩体五十人山岩体の微量元素組成を見る
と,前述した長屋岩体鹿山岩体に比較して,SrEuに大
ラフが確認で(第前述のよに,SrEuは斜長
石に大き配される.このことから,これらのラフを 作 る原
因として2 可能 があげられる.1つ は ,玄武岩質下部
地殻における部分融解が圧力1 GPa以下かつ水蒸気圧
低い状況で進行して斜長石が残存固相に多存在した可
能性,もう1つ は 親 マ グ マ から 斜 長 石 が 効果的に分別した
能性である.これらの可 性を吟味する詳細な議論は,
現段階では困難でる.たがって,今回はこれ2つ の 可
能性を指摘するどめたい.
8.まとめ
 本研究では,福島県安達郡日山周辺に分布する花崗岩
類及び斑れい岩類について地質学的記載岩石学的検討
を行っ
 本研究地域に分布する深成岩類は,斑れい岩類,トー ナ
ル岩-花崗閃緑岩,花崗閃緑岩-花崗岩に大区分れ,
の順序に貫入している.トー ナ ル 岩 - 花 崗閃緑岩は普通角閃
石・黒雲母を含み鉱物の定向配列にる面構造が発達す
るが ,花崗閃緑岩-花崗岩は粗粒カ長石は白雲母を
含みその多が塊状をなす.トー ナル岩-花崗閃緑岩及び花
崗閃緑岩-花崗岩は,従来の区分にしたがえばそれぞれ古
期花崗岩類及び新期花崗岩類に相当すまた トー ナ ル
岩-花崗閃緑岩は更に岩相及び貫入関係か3岩 体(長屋
鹿山石森)に細分でき花崗閃緑岩-花崗岩は岩体(古
第10図 部分融解モデル計算の結果(亀井高木,2003 を一部
改変)
起源物質の組成は阿武隈地域の斑れい岩類して計算.
部分融解の条件は玄武岩の融解実験の結果を基に設定.
Dehydration melting 及び Water-saturated meltingは,
それぞれ P H2O < P total 及び P H2O = P total を意味する
N-MORB の値は Pearce and Parkinson (1993) による.
Fig. 10. Results of calculation for partial melting models (modified
from Kamei and Takagi, 2003).
The starting composition for the calculation is the trace el
ement composition of a gabbroic rock in Abukuma area.
The melting conditions in the calculation are set up based
on the results of melting experiments of basaltic rocks. De
hydration and water-saturated conditions mean P H2O < P
total and P H2O = P total, respectively. Normalized values are
cited from Pearce and Parkinson (1993). Pl: plagioclase,
Cpx: clinopyroxene, Opx: orthopyroxene, Amp: amphib
ole, Grt: garnet, Mt, magnetite, Ilm: ilmenite.
地質調査研究報告 2003 年 第 54 巻 第 11/12 号
406−
道・三 春・葛 尾・五 十 人 山・初 森 )に細分できる.
 本地域に分布する深成岩類は,組成変化図においてそ
ぞれ異なる化学的性質を示す.また 花崗岩類の化学組
成は,その多くが火山弧に特有I-type花崗岩の特徴を示
す.帯磁率は新期花崗岩類及び鹿山岩体,長屋岩体,石森
岩体,斑れい岩類の順で高く
 花崗岩類の微量元素組成の特徴から,これらの 因に
する考察を行った.その結果,鹿山岩体のマグマは,本地
域西方の船引周辺のものと同様に,玄武岩質下部地殻が1
GPa以下の圧力かつ水蒸気圧の高い状況で発生した
釈された.また 長屋岩体のマグマは,玄武岩質下部地殻
が1 GPa以下の圧力かつ水蒸気圧の高い状況で発生し,
閃石の分別が効果的に働いていたと解釈れ,本地域
は長屋岩体の中でも角閃石の分別の影響が少ない地域
説明れた.葛尾岩体五十人山岩体の微量元素組成は,
SrEuに枯渇す特徴が確認された.そこ で ,両岩体には2
つの成因説が予測された1つ は 玄武岩質下部地殻にお
ける融が圧力1 GPa以下かつ水蒸気圧が低い状況で進
行し可能性,もう1つ は 斜長石の効果的な分別によマグ
マ組成が変化した可能性である.古道岩体については化
学組成及び成因に関す情報が得れなかった.
謝辞謝辞
謝辞謝辞
謝辞:本 研 究 を 進 め るにあたり 業技 術総合研究所 深部
地質環境研究セター の 山 元 孝 広長期変動チーム長,
塚本 斉主任研究員,笹田政克セー長,月村勝宏副セ
ンター長並びに地球科学情報研究部門の宮崎一博主任研
究員には,有益な御助言御議論を賜った岩手大学の
土谷信高博士並びに山形大学の田中久雄教授には,有益
な御助言・御 見 を 賜 っ た .産業技術総合研究所 地球科
学情報研究部門の高橋 浩主任研究員には,原稿に対す
る数くの有益な御指 摘・御議論を賜った.以上の方々
深く感 謝 申し 上 げます .
文 献
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(受付2003年9月30日受理2003年12月24日)
地質調査研究報告 2003 年 第 54 巻 第 11/12 号
408−
付表1 日山周辺に分布す深成岩類のモード組成
数値は%表示.
Appendix 1. Modal compositions (%) of the plutonic rocks in the Hiyama area.
Pl: plagioclase, Qtz: quartz, Kfs: K-feldspar, Bt: biotite, Hbl: hornblende, Ms: muscovite, Cpx: clinopyroxene, Opx: orthopyroxene, Mt: magnetite, Ilm: ilmenite, Rt, rutile,
Tit: titanite, Ap: apatite, All: allanite, Zir: zircon, Py: pyrite, Po: pyrrhotite, Ccp: chalcopyrite, Sph: sphalerite. tr: trace.
福島県日山周辺の阿武隈花崗岩類の地質岩石記載(亀井ほか)
409−
付表2 日山周辺に分布す深成岩類の全岩化学組成.
Appendix 2. Chemical compositions of plutonic rocks in the Hiyama area.
Total Fe as Fe
2
O
3
, -: not detected.
... Non-radioactive WB grains were collected from weathered granite in an outcrop in Kawauchi village, Fukushima, which is about 30 km southwest of the nuclear power plant. Geologically, the granitic rock in this area is categorized as younger Abukuma granite, which also covers Iitate (Kamei et al., 2003). ...
Article
Full-text available
Radioactive particles of around 50 µm size were collected from highly contaminated soil in the Fukushima Prefecture, Japan, and characterized using micro X–ray diffraction with synchrotron radiation (SR–µ–XRD). Two–dimensional diffraction patterns from individual particles rotated during X–ray irradiation were recorded on a flat imaging plate and a one–dimensional diffraction profile, as a function of 2θ, was derived from the pattern. Weathered biotite (WB) particles with plate–like morphology showed a broad peak corresponding to a basal reflection with d = 10–14 Å, indicating various degrees of vermiculitization. Another peak of ∼ 7 Å was also detected in these WB particles, suggesting the parallel growth of kaolinite in the biotite particles. These characteristics were also found in the WB collected from an Abukuma granitic body, which is widespread in the eastern part of Fukushima. SR–µ–XRD of radioactive soil particles consisting of fine minerals or of those rich in organic matter indicated that these particles contain very fine 2:1 type clay minerals alongside detrital rock–forming minerals such as quartz and feldspar.
... The mineralogical constitution is typical of weathered granitic rocks (Nesbitt and Markovics, 1997). The fact that these minerals were contained in the sediments is consistent with the geology of the Abukuma River system (Kamei et al., 2003). All the identified minerals were also found in the sediments from the pasture site (Tanaka and Watanabe, 2015). ...
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Particle size and mineralogy are important factors controlling the distribution of radiocesium in soils and sediments contaminated by nuclear weapon testing and nuclear power plant accidents. However, it is often difficult to distinguish the influence of particle size and mineralogical composition on the size distribution of radiocesium because they are closely related. The objective of this study was to elucidate the influence of mineralogical composition on the distribution of stable Cs and radiocesium in river sediments. We analyzed size-fractioned samples of riverbed sediments collected at two sites, a pasture and Kuroiwa in the Abukuma River system in Fukushima after the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant (FDNPP) accident. The size distributions of K, Rb, and ¹³³Cs reflected the mineralogy of sediments, where primary host minerals for these alkali elements would be biotite, K-feldspar, and clay minerals. Silt-size fractions contained high ¹³³Cs and ¹³⁷Cs concentrations possibly due to adsorption on clay minerals. Their concentrations decreased with increasing particle size at the pasture site. In contrast, coarse and very coarse sand fractions from the Kuroiwa site showed higher ¹³³Cs and ¹³⁷Cs concentrations in comparison to fine-medium sand fractions. The coarse sand fractions contained many weathered biotite grains, whereas hornblende was the major constituent in the fine-medium sand fractions. Overall, the size distributions of ¹³³Cs and ¹³⁷Cs were similar in the sediments, suggesting that the FDNPP-derived radiocesium was distributed into each particle size fraction in response to the distribution of the stable Cs that was controlled by mineralogical composition. Leaching experiments using 1 M CH3COONH4 indicated that ¹³⁷Cs was fixed more strongly in silt-size fractions than in sand-size fractions. However, it should be noted that sand-size fractions retained more than 90% of the ¹³⁷Cs in the leaching experiments. Illite and weathered biotite are likely the hosts of ¹³⁷Cs in silt- and sand-size fractions, respectively. In this study, we demonstrated the strong retention of the FDNPP-derived radiocesium in wide range of particle size fractions of sediments.
... The weathered biotite sample was collected from weathered granodiorite of the older type of Abukuma granitic rocks at Ono City in Tamura District, in the eastern part of Fukushima Prefecture, Japan (Endo and Kimiya, 1987;Kamei et al., 2003). This area is located about 40 km south-west of the FDNPP. ...
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The sorption characteristics of cesium (Cs) ions into weathered biotite with biotite-vermiculite interstratification collected from weathered granodiorite in Fukushima Prefecture, Japan has been investigated. Both single crystals and crushed powder forms of the weathered biotite were experimentally reacted with 20-2000 ppm CsCl aqueous solutions, and analyzed by powder X-ray diffraction (XRD), scanning electron microscopy (SEM) and scanning transmission electron microscopy (STEM) to examine the distribution of Cs inside the crystals. From the XRD pattern, the proportion of vermiculite unit layers in the weathered biotite was estimated at-12%, with a tendency for segregation, and the whole XRD pattern was explained by the coexistence of biotite and vermiculite packets as well as the interstratified regions. Powder XRD of Cs-sorbed specimens showed that the 14.9 Å peak of the vermiculite packets was weakened at a low Cs concentration in the solution. Single crystals of the weathered biotite with a polished edge-surface were immersed in the CsCl solutions and examined using SEM and high-angular annular dark field (HAADF) imaging in STEM. Cs was not only incorporated in the vicinity of the exposed surface but also penetrated deeply inside the crystals. These analyses and observations revealed the Cs-sorption process in weathered biotite. At first, Cs preferentially replaced specific vermiculite interlayers in the vermiculite packets. With a higher Cs concentration in the solution, the Cs-substituted vermiculite interlayers increased in the vermiculite packets, and vermiculite layers interstratified in biotite also incorporated Cs.
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After the accident at the Fukushima Daiichi nuclear power plant in Japan, the migration of radioactive cesium (Cs) in soils has become a crucial issue since this can negatively affect human health and the surrounding environment. Dissolved organic matter (DOM) may have different influences on Cs migration in soils depending on Cs adsorption sites with different selectivity. It is unclear how DOM affects the rapid migration of Cs in soils under flowing water conditions during rainfall events. This study evaluated the effects of DOM on Cs migration in weathered granite soil depending on Cs adsorption sites by conducting laboratory experiments under different DOM conditions and Cs concentrations in the liquid phase. Cs concentration can affect the fraction of Cs adsorbed onto differently selective sites, and DOM can have different influences on Cs migration in the soil accordingly. Under condition of high-Cs concentration, the DOM adsorbed on the soil reduced Cs migration due to increasing Cs electrostatic adsorption to less selective sites in the soil. Meanwhile, under low-Cs concentration, the DOM adsorbed on the soil enhanced Cs migration because the DOM on the soil decreased the Cs adsorption to highly selective sites. Furthermore, DOM in the liquid phase detached the Cs adsorbed on the less selective sites and enhanced Cs migration in the soil, regardless of the Cs concentration.
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The accident at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant in 2011 released many radioactive elements into the environment, contaminating a large amount of soil. Currently, 14 million m³ of contaminated soil is scheduled for interim storage, and the final disposal of the soil is planned by 2045. In the future, the decommissioning of the plant will generate a great amount of radioactive waste. Therefore, reduction of the volume of contaminated soil, which accounts for ~90% of the wastes, is a problem that needs to be addressed in parallel with the decommissioning of the plant. Since most of the radionuclides have decayed in the decade since the accident, radioactive Cs (especially ¹³⁷Cs) is one element that needs to be removed from the wastes. This review summarizes the progress of volume reduction technology for soil contaminated with radioactive Cs and an understanding of the existence of radioactive Cs in the soil.
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It is important to understand the migration of Cesium (Cs) in soils, particularly after the nuclear power plant accident at Fukushima Dai-ichi, Japan. Dissolved organic matter (DOM) is one of factors affecting the migration of Cs in soils under flowing water conditions. We investigated the effect of DOM on the migration of Cs adsorbed to the clay planar site via laboratory column experiments. The sequence of DOM application had a significant influence on Cs transport in the soil. When DOM was applied concurrently with or prior to Cs application, the DOM adsorbed on to the clay planar site adsorbed onto the soil solid surface and enhanced Cs adsorption; consequently, it slowed Cs migration in the soil. In particular, in the case of DOM loaded prior to the application of Cs solution, a noticeable delay in Cs migration was observed. On the other hand, when DOM was applied to the soil where the Cs solution had been previously applied, the DOM desorbed Cs from the soil. DOM in liquid phase enhanced the migration of Cs through the formation of binding to organic matter. Majority of Cs affected by DOM was the exchangeable fraction that adsorbed to the clay planar site. In other words, DOM attached to the soil would adsorb Cs as a easily exchangeable form and depress migration of Cs. On the other hand, DOM in the soil solution may up take adsorbed Cs from the soil and enhanced the transport in the form of Cs bound to DOM.
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Mineral species that really retain radioactive cesium in Fukushima soil have been investigated by analyzing actual contaminated soil samples in Fukushima using IP autoradiography, electron microscopy and X-ray diffraction. Weathered biotite originated from granitic body in Fukushima was frequently found as radioactive fine particles. The weathered biotite is mineralogically a biotite-vermiculite mixed-layer mineral. Besides, smectite-like clay mineral was identified in biotite-free particles using X-ray diffraction. A new cesium-sorption experiment was conducted, in which various clay minerals were immersed together in dilute ¹³⁷Cs radioisotope solutions and the amount of ¹³⁷Cs adsorbed in each mineral was measured by IP autoradiography to reproduce the sorption at actual concentration level in the radioactive particles. It was found that ¹³⁷Cs was sorbed predominantly by the weathered biotite collected in Fuku shima, confirming the results from the investigation of the actual contaminated soil mentioned above.
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Radioactive substances that were widely dispersed by the accident at TEPCO's Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant were adsorbed by soil and can be discharged with suspended solids during rainfall. It is therefore important to quantify the movement of the radioactive substances adsorbed by the suspended solids. We have developed a model to simulate the production and transport of suspended solids depending on their particle sizes, because finer soil particles tend to adsorb more radioactive substances than coarser particles. We then integrated the model into a catchment-scale distributed hydrological model to evaluate the spatiotemporal variation in radioactive transport associated with suspended solids in streamflow. With this model, a continuous hourly simulation was carried out in a dam catchment in Fukushima Prefecture. The results show that the model captures the discharge of radioactive substances both in large and small flood events, indicating that the model can be used for event-based prediction as well as for evaluating long-term influences of radioactive substances on water resources.
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Cesium adsorption/desorption experiments for various clay minerals, considering actual contamination conditions in Fukushima, were conducted using the 137Cs radioisotope and an autoradiography using imaging plates (IPs). A 50 μl solution containing 0.185 ~ 1.85 Bq of 137Cs (10−11 ~ 10−9 molL−1 of 137Cs) was dropped onto a substrate where various mineral particles were arranged. It was found that partially-vermiculitized biotite, which is termed “weathered biotite” (WB) in this study, from Fukushima sorbed 137Cs far more than the other clay minerals (fresh biotite, illite, smectite, kaolinite, halloysite, allophane, imogolite) on the same substrate. When WB was absent on the substrate, the amount of 137Cs sorbed to the other clay minerals was considerably increased, implying that selective sorption to WB caused depletion of radiocesium in the solution and less sorption to the coexisting minerals. Cs-sorption to WB continued for about one day, whereas that to ferruginous smectite was completed within one hour. The sorbed 137Cs in WB was hardly leached with hydrochloric acid at pH 1, particularly in samples with a longer sorption time. The presence/absence of WB sorbing radiocesium is a key factor affecting the dynamics and fate of radiocesium in Fukushima.
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The Abukuma plutonic rocks are one of the major Cretaceous granitic suites in the Japan Arc. In the central to eastern Abukuma Plateau, intrusive ages of 115-97 Ma were obtained using zircon U-Pb method. According to the compilation of all existing U-Pb ages, seven intrusive stages were detected between 121 and 96 Ma. Especially, differences of the intrusive ages and geochemical variations were identified between the eastern and western leucocratic granitoids, which was likely due to the heterogeneity of their source rock compositions and/or difference in the depth of magma geneses.
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Rb/Sr whole-rock age determinations were carried out on five plutonic composite masses and some metamorphic rocks in this area. Two groups were distinguished among the plutonic masses: one approx 400 m.y. old (older stage plutonism), the other approx 150 m.y. old (younger stage plutonism). The age of older stage plutonism corresponds with the younger regional metamorphism of andalusite-sillimanite type. The main phases of the regional metamorphism of the Abukuma metamorphic belt were completed before the Late Devonian. The older plutonism in this district is equivalent to the epizonal plutonism of similar age in the Kurosegawa tectonic zone of SW Japan, and in the Kitakami Mountainlands, etc. These may be considered to represent the Caledonian orogeny in the Japanese Islands.-S.H.
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Rb-Sr chronological study has been carried out on the Miyamoto tonalitic complex to the east of Iwaki city, Fukushima prefecture, northeastern Japan. The rock facies of the complex can be grouped into three in terms of petrological understanding: they are gabbro group, tonalite group, and adamelite group in order of intrusion. The Rb and Sr abundances and Sr isotopic compositions were analyzed for gabbro group rocks (14), tonalite group rocks (8), and adamelite group rocks (5). The mineral separates from one of the gabbro group rocks were also analyzed. The Rb-Sr age of the tonalite group is 120 Ma, and the initial 87Sr/86Sr ratio is 0.7052; the results are similar to those of the tonalitic plutonic complexes distributed nearby. The adamelite group yielded 119 Ma as the solidification age with teh inital 87Sr/86Sr ratio 0.7049. The age is identical to that of the tonalite group, but the initial 87Sr/86Sr ratio is different between them. Although the tonalite and adamelite group magmas intruded successively and solidified, the origin could largely differ between the two groups. The gabbro group gave no consistent whole-rock age, and neither did the mineral separates. Excluding biotite, the remaning mineral separates, plagioclase, hornblende, and the whole rock make an isochron with an angle indicating the age of 100 Ma with an uncertainty of 13 Ma. The significance of the obtained mineral age, however, is unclear. The Rb-Sr system of the gabbro group seems considerably disturbed by alteration.
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The Cretaceous Hanawa pluton and neighboring metamorphic rocks are described from the geological and petrological viewpoints. The Hanawa pluton consists of, in order of formation, fine-grained quartz diorite and tonalite, foliated tonalite and granodiorite, and main granodioritic rocks. The granodioritic rocks are subdivided into porphyritic type, large sphene-bearing type, mylonitic type, and fine-grained equigranular type. In general the younger the rocks are, the richer in potash feldspar and quartz and the poorer in mafic minerals. Chemical compositions of 13 granodioritic rocks vary within a rather narrow range (SiO2 67-73%), and are similar to those of average Japanese granitic rocks. Mg/(Mg+Fe) ratio of biotite and An content of plagioclase decrease toward the southwestern side of the granodioritic pluton. High-grade metamorphic rocks including orthopyroxene-bearing granulite are distributed far away from the Hanawa pluton, whereas medium-grade metamorphic rocks near or in the pluton. This finding suggests that the intrusion of the Hanawa pluton does not play an important role in the formation of the high-grade metamorphic rocks.
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On the east side of the Hatagawa Fracture Zone, the intrusive rocks are composed of fine-grained hornblende gabbro intruding the Soma Paleozoic Formations and Early Cretaceous granitic bodies. On the west side of the Hatagawa Fracture Zone, there occur the intrusive rocks such as small ultramafic and gabbroic masses and widely distributed Early Cretaceous granitic rocks. These granitic rocks have the petrological characteristics common to the so-called Abukuma granitic rocks. On the other hand, the granitic rocks on the east side of the Hatagawa Fracture Zone can be discriminated from the Abukuma granitic rocks. The associated volcanic rocks are also correlated with the Early Cretaceous ones of the Kitakami Mountains. The distinct difference recognized for the intrusive rocks of the Haramachi district is believed to be observed throughout the eastern margin of the Abukuma Mountains. -from English summary
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Thirteen biotites and eleven hornblendes in granitic rocks from the central part of the northern Abukuma mountains were chemically analysed. The biotite compositions indicate that the Po2 conditions of the Abukuma granitic rocks were intermediate between the high Po2 of the Kitakami mountains and the San'in zone, and the low Po2 of the Ryoke zone. AlVI and AlIV in hornblendes from the Abukuma granitic rocks are moderate amounts in compared with those from other granitic provinces of Japan. High AlIV in hornblendes seems to be related to low Po2 in granitic magmas. A slightly declining Po2 condition during crystallization of the Abukuma granitic rocks caused an increasing AlIV trend in hornblende towards more acidic rocks.
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福島県船引町周辺には阿武隈花崗岩類が分布し,岩相は斑れい岩類~花崗岩類におよぶ.これらの岩石は斑れい岩類,古期花崗岩類(長屋岩体・鹿山岩体・石森岩体),新期花崗岩類(青石沢岩体・三春岩体・初森岩体)に区分でき、この順に貫入する.古期花崗岩類は角閃石を含み弱い面構造を有するか,新期花崗岩類はカリ長石斑晶や白雲母を含み多くが塊状を呈する.花崗岩類は全てカルクアルカリ系列に属し,火山弧に産するI-type花崗岩の化学組成を有する.一方,斑れい岩類はソレアイト系列に属する.各花崗岩休および斑れい岩類は,バーカー図などにおいてそれぞれ異なる化学的性質を示す.また,長屋・鹿山・三春・初森の各岩体は約0.2~1.O×10-3SI unitの低い帯磁率を示すが,石森・青石沢の各岩体は約1.0~30.0×10-3SI unitの高い帯磁率を示す.斑れい岩類の帯磁率は約30.0~60.0×10-3SI unitとさらに高い.これら深成岩類の化学的性質および帯磁率の違いは,それぞれの岩体が異なるマグマから固結したことを示唆する. 花崗岩類の成因について,微量元素斑成による部分融解モデルの検討を行った.その結果,本地域の花崗岩類のマグマは,玄武岩質下部地殻が融解し,角閃石もしくは斜長石+ザクロ石を含む残存固相を形成しつつ発生したと判断された.